「研究計画」などでは小見出しを立てて、ひとつずつ説明していきます。その時は、3つを基本としましょう。これはマジックナンバー3としてもよく知られています。
2つは少なすぎるし、4つは多すぎる
研究計画が2つだと、一つ失敗すると半分も計画が失敗したことになります。こうなると、リスクのある研究計画は立てにくくなりますので、必然的に手堅い(≒あまり面白みの無い)研究計画になってしまいます。3つだと、うち1つを失敗しても半分以上は大丈夫ですので、リスクを取ることができます。では、4つ以上はどうかというと、そうなると総花的な研究とみなされてしまいます。「あちこちに手を出しているのけど、本当に期間内に達成できるのだろうか?」と審査員は考え、実現可能性に疑問符がついてしまいます。
こうした理由に加えて、根拠を3つに限定することは、説得力という観点からも支持されます。一つの主張に対して根拠が1つや2つだと根拠が乏しい感じがしますし、4つ以上だと長過ぎてダレてしまいます。審査員が無理なく根拠を理解できる数は2つか3つです(研究計画は2つ3つが適当)。
とはいえ、3つが良い本当の理由ははっきりしません。しかし、3を基本とするキャッチフレーズが数多く存在することは、3という数字の潜在的な有効性を支持しているのではないでしょうか。特に理由がないようであれば、3を採用して悪いことはなさそうです。
- 来た・見た・勝った
- 自由・平等・博愛
- うまい・やすい・はやい
- 心・技・体
- 松・竹・梅
- 序・破・急
など、数多くありますね。
「理解する・作る・操作する」のような短い動詞で構成される見出しも、学振や科研費の申請書では、なかなか使い勝手が良いです。
3つにこだわりすぎない
とはいえ、3つはおまじない程度に考えておいて下さい。3つにこだわりすぎるあまり、スペースが余ってしまうのは考えものです。この場合の解決方法は大きくわけて2つあります。
1−1、1−2のように小見出しにわける
大見出しは3つでありながら、その中に小見出しを設けることで自由度が増します。内容の近いものをまとめることで、審査員としても理解しやすくなります。その際にはまず計画1の全体をかるく説明してから、計画1−1、1−2をそれぞれ説明します。
計画1
・計画1−1
〇〇〇…
・計画1−2
〇〇〇…
計画2
〇〇〇…
計画3
〇〇〇…
4つにする
見出しが5つ以上はさすがに多すぎますが、4つはそれほど悪い選択肢ではありません。数にこだわりすぎる必要はありません。ただし、2つの場合は、分割できないか・付け足すことはないかを検討すべきであり、5つの場合は、統合できないか・無駄なものはないかを検討すべきです。