申請書の構成は気を付けるべきポイントが数多くありますが、2つのポイントに気を付けるだけでグッとわかりやすくなります。
1. 聞かれていることだけに答える
こんなのは当然と思うかもしれませんが聞かれて、聞かれていること以外を長々と書いている申請書はかなり多いです。
科研費や学振の申請書では、各項目で答えるべき具体的な質問や指示がかなり具体的に書かれています。まずは、それらの指示の内容や意図を理解し、明確で具体的な回答を書くことが重要です。余計な情報や主題から外れた内容を含めることなく、要点を押さえて的確な回答をするよう心掛けましょう。読み手が必要な情報をすばやく把握できるようにすることが大切です。
独自性・創造性や位置づけなどは何を書いてよいのか、他の項目とどう区別して書くべきかがわかりづらく、混乱する人が多いパートです。
2. 同じことを繰り返し書かない
申請者のこれまでの研究成果や着想の経緯、気に入ったフレーズなどをあちこちで何度も書く人がいます。基本的にはそれぞれの項目で内容は重複しないようになっているはずであり、同じような内容を書いてしまっているということは、何かが間違っているサインです。
同じことを繰り返し書いてしまうことで、申請書全体が冗長になり、読み手に「無駄が多い」「書いている本人が主張を整理できていない」といった印象を与えてしまいます。また、審査員は限られた時間の中で多くの申請書を読むため、同じ内容を繰り返していると、かえって本当に重要なポイントが埋もれてしまい、印象に残りにくくなります。同じ内容を別の表現で何度も繰り返すことは避け、それぞれの項目において聞かれていることだけに答えるようにします。その意味で、この項目は「1. 聞かれていることだけに答える」と不可分です。
さらに、繰り返しを防ぐためには、申請書全体の構成を事前にしっかりと計画することが重要です。いきなり書き始めると十中八九同じことを書くことになります。まずは、申請書で書けそうなことをまとめたネタ帳のようなものを作り、それぞれをどの項目で書くかを整理すると、内容の重複を避けることができます。書き終えた後には、自分が書いた文章が本当にそれぞれの項目の意図を満たしているか、他の項目で使われた内容と重複していないかを冷静に確認する時間を設けましょう。