揃える では、1)行末を揃える、2)段落の終わりをページ終わりに揃える、3)日本語の使い方を揃える、4)図を揃える、について説明しました。他にも揃えるべきところはまだあります。

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フォント

見出しや強調箇所のフォントサイズを大きくする人がいますが、文字の高さが揃わず、あまり良い戦略ではありません。科研費.comでは、引用文献部分を一回り小さくすることを提案していますが、これも同様の理由で多用するものではありません。

見出し
 このように見出しや本文の一部を強調する人がいますが、非常に読みにくくなるので、やめた方が良いでしょう。

強調

太字太字+下線下線網掛け枠囲みなど、ひとつの申請書で複数種の強調を使う人がいます。そうした人の心理としては、

最初は一種類の強調だったけど、使っていくうちに目立たない気がしたので、強調の強調を使うようになり、それもまた…

というものです。

強調とは、他とは違うことをすることで視線をそこに留め、その過程で内容も強調するという操作ですので、多すぎる強調は「他と違うことをする」の部分で引っかかってしまいます。また、多種多様な強調を使うと、どれが本当に強調したいことなのかが理解できません。

  • 強調の数は減らして、一つ一つの強調効果が十分に高い状態を維持する
  • いろいろな強調を用いず、太字=強調のようにわかりやすいルールにしておく

ことが重要です。

句読点・行間

申請書の使いまわし自体は良いことです。研究内容はそうそう変わらないはずですので、推敲した文章を使うことで完成度を高めることが可能になります。ただし、申請書のページ数や表記ルールなどはそれぞれですし、それに伴って、行間等も微調整されているはずです。そのため、安易なコピー&ペーストは異なるスタイルが混じってしまう可能性を高めます。推敲された文章であるだけに、意外と気づかないものです。

行頭

階層構造を明確にしようと、行頭を下げて(左インデントを大きくとって)書く人は一定数います。が、私の目から見る限り、こうした試みはあまりうまく機能していないように思います。

このように、行頭が揃わないと非常に読みづらく、またスペースも余計に使ってしまいます。ここまでの犠牲を払ってでも階層構造を明確にしたいモチベーションは無いはずです。

数字の表記

数字の表記は細かいチェックポイントがあります。どれでも構いませんが、自分なりのルールを決めて統一した運用をするようにしましょう。

  1. 漢数字で書くか、アラビア数字で書くか(あるいはひらがなか)
  2. 数字を全角で書くか、半角で書くか

スタンス

意外と見落とされがちですが、申請書における申請者のスタンスがブレているケースは少なくありません。

  • 「わかっている」と書いておきながら、別のページでは「わかっていない」と書く
  • 研究目的で書いたことを達成するような研究計画になっていない

などです。こうしたスタンスのブレは大抵の場合、申請書の作成に時間がかかりすぎて途中で考えが変わったために起こります。

しかし、これは「短時間で申請書を書きあげるべき」と言っているわけではありません。申請書はじっくり時間をかけて書き上げるべきですが、必ず最後に見直しをして、スタンスのブレを解消すべきだと言っているのです。

スタンスに限らず、申請書を一発で完ぺきに書ける人は存在しません。文豪ですら推敲するのです。何度も読み返す(場合によっては他人に読んでもらったりする)ことで、こうした不一致を徐々に解消していくより手立てはありません。