括弧( )を多用する人がいます。略号や補足説明など、本来はわかりやすくするためのものですが、多すぎる括弧は文の流れを途切れさせ、かえって読みにくくなります。 本当に必要な情報かどうかを精査し、減らせる括弧は減らしましょう。

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カッコの使いすぎはカッコ悪い

ファサード(語源はフランス語のfaçade)とは、一般に建築物の正面(玄関やアプローチを配した側)のことをいう。外観として重要な場合には(重要でない場合はファサードとは呼ばないことに注意が必要である)、側面あるいは背面をファサードと呼ぶケースもある。商業施設(店舗)においてもファサードは集客にかかわる重要な部分である(染谷 2000)。

のように、理解を助けようと( )内に捕捉説明を書く場合があります。しかし、上記の例は読みやすいでしょうか? ( )のたびに黙読の流れが止まってしまい、けっして読みやすくはないと思います。

また、次の例のように申請者の所感めいたものを書く人もいます。

本研究は世界で初めて(厳密には未公開ながら先例が1件だけ存在する)行うものである。これにより、ほぼ(全部と言っても過言ではないが念のため「ほぼ」としておく)全てのケースについての検証が終わることになり…。

これも、個人の感想ばかり目立ち、プロフェッショナルな印象は受けません。

このように( )による捕捉は便利な手法ですが、多用しすぎると読みにくくなったり、内容が整理されていない印象になり逆効果です。

( )を減らす方法

( )は書き癖のようなものですので、最初から無くそうと頑張る必要はなく、最後の見直しの段階で手を入れていけば十分です。文献や略号などの( )は別として(これも多すぎるとよくありませんが)、捕捉説明のための( )の数は減らせるのであれば減らしましょう。

それは伝える必要がある捕捉説明ですか?

( )で書くぐらいですから、( )の中身は本文の内容を理解する上で必須の情報ではありません。必須の情報でないならば、わざわざ( )で読みにくくするデメリットを負ってまで伝えねばならない情報だろうか?といまいちど考えなおしてみてください。

本当に必要なのであれば、( )内に書くべきではないですし、本当に不要なのであれば補足説明すら不要でしょう。( )で捕捉説明するべきものはそれほど多くはないはずです。審査員に伝える情報は最小限にすることがポイントです。

( )の外に出して書けませんか?

( )の中身は多くの場合、外に出せます。

  • XXX疾患(AAA病、BBB症、CCC病)の患者では…
    →AAA病やBBB症、CCC病などのXXX疾患の患者では…
  • ファサードとは一般に建築物の正面(玄関やアプローチを配した側)のことをいう。
    →ファサードとは一般に、玄関やアプローチを配した側の建築物の正面のことをいう。

このように、( )の中身を前に出してしまうことで、( )を使わずとも書くことができます