本サイトもその1つですが、申請書やプレゼンテーションのノウハウについては巷に情報が溢れています。申請書とプレゼンテーションには共通点も多いですが、それでもやはり別物です。プレゼンテーションのノウハウを咀嚼せずに申請書に適用するとうまく行きません。

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申請書におけるPREP法

プレゼンテーションの技術の一つとして定着してPREP法はすっかり定着しました。すなわち、

  • 結論(Point):本日は新規事業についてご提案します。
  • 理由(Reason):当社の業績は横ばい状態が続いており、新たな収益源を持つことで業績を一気に向上させる必要があるからです。
  • 具体例(Example):今回、わたしが提案する新規事業の内容は…
  • 結論(Point):以上より、こうした新規事業は当社の業績向上に寄与すると考えています。

のように、最初と最後で結論を述べ、その間に理由や具体例で肉付けするタイプの技法です。学会などでも、One page summary(プレゼンの要点をまとめた結論スライド)を冒頭で示すスタイルはしばしば目にします。

これを申請書に当てはめると、

  • P:本研究の目的は○○○です。
  • R:なぜなら、○○○はわかっていないからです。
  • E:具体的には○○○をします。
  • P:本研究で○○○を明らかにすることで、○○○が理解できると考えます。

のように目的から書くことになります。実際、目的を冒頭にもってくる人は少なくありません。しかし、ちょっと待ってください。上記ビジネスシーンと申請書の前提条件は本当に同じでしょうか?

申請書とプレゼンでは前提条件が異なる

申請書プレゼンテーション
背景知識審査員は分野外なので、背景知識はそれほど共有されておらず、丁寧な誘導が必要。共通の背景を持つ集団であることがほとんどあり、一般的な背景は不要か少なくて良い。
モチベーション仕事なので読んでいる。自分の研究分野でもないので、申請内容をそこまで詳しく知りたいわけではない。発表を聞きたいので、自らの意思でその場にいるため、なるべく話についていこうと努力する。
プレゼンテーションと申請書の前提条件の違い

プレゼンテーションにおいてPREP法が成立するためには、発表者と聴衆にある程度共通のバックグラウンドがあることが大前提です。冒頭の新規事業のプレゼンにおいては、”当社”がどのような事業をしているのかについて共通認識があることを発表者は前提にして話を始めています。

しかし、申請書はそうではありません。審査員はもちろん研究者ですが、十中八九異なる分野の専門家です。ちゃんと説明されれば理解できますが、説明が無いと全く理解できません(デルブリュックの教え)。そのためPREP法をそのまま申請書に適用するのは無理があり、オーソドックスに背景、問題点、目的、計画と進めていく方が理解しやすいでしょう。