同じ内容なら短く表現することを意識してくださいい。長い(くどい)とそれだけで読む気が失せます。
#科研費のコツ 79
— 科研費.com (@kakenhi_com) March 20, 2024
申請書のスペースは限られているので、
余計なことを書くと、中身が薄くなります。
シンプルに、漏れなくダブりなくhttps://t.co/Uq6tjIwgio pic.twitter.com/cqMzoi5uiU
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ヒント:小文字のLではなく1です。
- 重要なものとなっている → 重要である
- 明らかにしていくことの意義を… → 明らかにする意義を…
- りんごは赤いと言われている → りんごは赤い
- 利用することができる → 利用できる
- 調査を実施した → 調査した
- 教育費の増加と医療費の増加により → 教育費と医療費の増加により
自信のないものほど言葉を重ねたくなるものです。しかし、言葉を重ねたところで、わかりやすくなったり説得力が増したりするわけではありません。なるべくシンプルに書く方が理解してもらえる可能性が上がります。
申請書作成における 大前提は、以下の2つです。
- 申請書の紙面は少なく、余計なことを書くスペースは無い
- 審査員には長文、わかりにくい文章、理解しにくい内容を頑張って理解するモチベーションは無い
表現のくどさを避ける
こと、もの
本研究では、アンケートを実施することで、学習過程の実体を明らかにしていくことを狙う。
→ 本研究ではアンケートを実施し、学習過程の実体を明らかにする
文中に「こと」や「もの」が出てきたら要注意。多くの場合、もっとすっきりとした表現が可能です。
断定を避ける表現
〇〇〇をしていきたいと考えている。
→ 〇〇〇をする。
自分の研究計画なのですから、「(できれば)〇〇〇したい」「〇〇〇(できればいいな)と考えている」ような表現は変です。実際にするつもりなのであれば「〇〇〇する」で十分です。断定を避けるような表現にすると、ごまかしている、あるいは自信がないと受け取られてしまいます。さらに、無駄に文が長くなるので、読みにくくなってしまい、二重に損をしてしまいます。
大仰な表現
〇〇〇は申請者のこれまでの不断の歩みの集大成であり…。
→ 〇〇〇は申請者のこれまでの成果をもとにしており…。
具体例が難しいですが、「僥倖」「乾坤一擲」のような普段はまず使わないような言葉、「世界で唯一申請者のみが思いついた方法」「とてつもなくすごい」のような過大評価しすぎの表現、「齎す」「亙る」など普通は使わない漢字での表現などがあります。
カッコいい表現を使ったからといって申請書の格があがるわけではありません。また、申請者自身および申請者の研究について、過度な謙遜は不要ですが、実績に比べてあまりにも高すぎる自己評価をするのも、判断力に疑問をもたれてしまう原因になりかねません。
過剰な謙譲表現
申請者は〇〇〇の研究をさせていただいており…。
→ 申請者は〇〇〇の研究を行っており…。
上下関係の厳しい分野(研究室?)なのか、申請書で時々見られる謙譲表現です。しかし、匿名の第三者である審査員に対して、申請者が上司に対して敬意を示していることを伝える必要はありません。また、申請者は何らかの許可を得て研究を行っているのでしょうか?。
内容のくどさを避ける
同じことを繰り返さない
自身のこれまでの研究や重要な先行研究、アイデアや成果をあちこちで繰り返し書いてしまったり、気に入ったフレーズを繰り返しもちいたりして、全体として文章の長さの割には内容が薄いという事態になってしまいます。
一般的には、「申請書はスペースが足りない」という前提があります。そのため、同じことを繰り返す余裕はありません。そうした状況において、同じ内容を繰り返しても情報量は増えませんし、審査員が繰り返しに気づき「またか」と思われるだけです。
どこに何を書くかを整理し、絶対に同じ内容を繰り返さないという強い意志が必要です。たとえ結果的に似たような内容になるにしても、表現を変えてマンネリ感を避けたり、少しでも別の角度から訴求することで審査員にポイントが伝わるように言葉を尽くしたり、といった努力は必要です。
内容が整理されていない
また、書くべき内容以外のことが書かれているのも問題です(そして聞かれている内容についての説明は非常に少ない)。例えば目的パートに展望を書いてみたり、研究計画に背景を長々と書くといった具合です。
あまり深く考えずに書き始めると自身の思考があちこちに飛んでしまうので、このような事態になりがちです。実際に書き始める前にまずは書くことを短くリストアップし、内容ごとにまとめた上で、適切な場所に配置するようにしましょう。マインドマップ・ツールを使うのも良いですし、もっとシンプルに付箋に書いた項目を並び替えて内容を整理するという手法でも良いです。こうすることで、研究計画も洗練されていきます。
ポイントは聞かれていることのみに答えることです。ついつい、あれもこれもと欲張るとかえってピントがぼけてしまいます。たとえば、「研究の問題点」を聞かれているなら、「〇〇〇が問題である。」までが書くべき内容であり、それをどうやって解決するのかや、解決した後にどのような良いことがあるのか、具体的に何をするのか、などは別の場所に書きます。