話し言葉と書き言葉は異なりますので、普段から慣れておかないとどういったものが良い文章で、どういったものが良くない文章なのかの判断が鈍ります。
#科研費のコツ 77
— 科研費.com (@kakenhi_com) March 18, 2024
自分の書いた日本語の文章が良いかどうかは、「良い」日本語の文章を知っていることが絶対条件です。
カジュアルな文章も良いですが、美しい日本語の文章を普段から読むように心がけましょう。個人的には夏目漱石の文章はやっぱり上手だなと思います。https://t.co/IwzNsZSxHZ pic.twitter.com/V3D69ORpps
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ヒント:小文字のLではなく1です。
申請書作成において最も重要な要素の一つは、質の高い文章を書く能力です(申請書書く段階で、業績は増やせませんから…)。しかし、良い文章を書くためには、まず何が良い文章なのかを理解する必要があります。そして、その理解を深める最良の方法は、質の高い文章をたくさん読むことです。
申請書のための良い文章とは?
ここでの良い文章とは、明確かつロジカルで、読者に対する明確なメッセージを伝える文章です。どのような文章が、審査員に伝わりやすい(自分が読みやすいではなく)と思うかは人それぞれですから、特に言うこともありませんが、一般的には、やはり時の試練をくぐり抜けてきた名文は読むに値すると思います。
娯楽として読む文章ならば雑誌でも、ライトノベルでも、流行りの作家でも、漫画でもなんでも良いのですが、日本語のリズム、こなれた表現などは追及したいのであれば、普段から読んでいる文章の量や質がどうしてもモノを言い、これは一朝一夕では身に付きません。
文字は書けるが日本語の文章を書けない人は意外と多い
申請書が上手でない方は大きく2つのパターンに分かれます。1つは科学研究がどんなものであるかを十分に想像できていない場合で、経験の浅い方、特に他の研究をあまり見てこなかった方に多い印象です。もう1つは、こちらの方が添削していて気になりますが、文章が飛躍したり、過剰な説明だったりして、何を言いたいのかが全く伝わらないものです。言いたいことが伝わらないのであれば、良い悪い以前の問題として、審査員としても評価しようがありません。
文字は誰でも書けるかもしれませんが、文章を上手く書くのは簡単ではありません。読みやすい文章を書くのはもっと難しいですし、読ませる文章となるとさらに大変です。そのうえで、審査員に研究の重要性を説得する必要があるのですから、それなりに大変です。
たかが文章、されど文章。質の高い書籍や論文をたくさん読みましょう。良い文章の特徴や構造を科学的に理解する必要はありませんが、感覚的に理解しておくことは重要です。最初のうちは、読んだ文章の中から、特に印象に残った部分や表現を分析し、そのロジックや構造を真似るところから始めましょう。
名文と言えば夏目漱石
中高生の時に教科書で読んだり、読書感想文のために読むせいで、それ以外の作品を読まなくなっている人も多いんじゃないでしょうか。いいですよ。やはり。
もちろん、現代作家にも名手は多いので、夏目漱石にこだわるものではありませんが、たとえば青空文庫のアクセスランキング上位をずっと夏目漱石と太宰治が占めていることからも、万人の基準となる日本語文章であることがうかがるかと思います。