研究室の選定理由を記述する際の「逆算」アプローチは、研究目標を実現するために最も適した環境をどのように選んだかを論理的に説明する方法です。このアプローチでは、以下のステップに沿って記述します。
#科研費のコツ 61
— 科研費.com (@kakenhi_com) March 1, 2024
申請書は作られた「物語」です。
申請書中では、ロジカルな選択に見えても、実際には、やりたいことや目指す研究室が先にあり、その選択を正当化する理由を後付けで探した結果であることの方が多いでしょう。
こうした場合に有効なのが、逆算思考です。https://t.co/rxkxEqUM8m pic.twitter.com/mJmXoI73C1
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逆算アプローチのステップ
研究目標の明確化
まず、研究の具体的な目標や達成したい成果を明確にします。この目標は、研究室選定の出発点となります。
例 新しい生物医学的な材料を開発し、その材料を用いて人工臓器の性能を向上させる
必要なリソースと環境の特定
研究目標を達成するために必要なリソース(設備、技術、専門知識など)を特定します。また、研究を支援するために必要な環境(コラボレーションの機会、特定の研究分野の専門家の存在など)を考慮します。
- 高度な生物工学の設備と専門知識。
- 材料科学との跨領域的なコラボレーションの機会。
- 先進的な医療研究施設へのアクセス。
選定理由の説明
どのようにして特定の研究室がこれらの要件を満たすかを説明します。研究室が提供する特定の設備、その場所の研究文化、指導教員の専門性、研究プロジェクトへのアクセスなどが考慮されます。
〇〇〇大学の生物医学工学研究室は、最新の生物工学および材料科学の設備を備えており、この分野の著名な研究者が在籍しているため選びました。さらに、研究室は医学部との強い連携を持ち、実際の医療現場での応用についての知見を得ることができます。
研究室の選定が目標達成にどのように貢献するか
選定した研究室が研究目標を達成するためにどのように具体的に貢献するかを具体的な例を挙げて説明します。例えば、特定の技術的なサポート、研究テーマに関連する研究グループとのネットワーキング、特定の機器へのアクセスなどが挙げられます。
〇〇〇大学の研究室では、私の研究テーマに直接関連する最先端の実験設備を利用できます。また、材料科学の専門家との共同研究により、新材料の開発に必要な多角的な視点を得ることが可能です。医学部との連携により、人工臓器の開発における実際の医療ニーズを理解し、研究の臨床応用についても深く学ぶことができます。
このような記述は、研究目標を達成するために、なぜ特定の研究室が最適であるかを論理的に説明しており、研究計画の実現可能性と実効性を高めるのに役立ちます。
逆算アプローチの利点
- 目標志向:研究目標に基づいて選定理由を説明することで、研究計画がどのように目標に沿っているかが明確になります。
- 合理的な選択の正当化:選定理由が論理的かつ合理的であることを示すことができます。
研究室の選定理由を記述する際には、研究目標から逆算して、なぜその研究室が最適であるかを論理的に展開することが重要です。これにより、申請者の計画が目標に基づいて緻密に考えられていることが評価者に伝わります。