研究計画において、「何を・どうするのか」についてはほとんどの人が書けていますが、詳しすぎてもどうせ伝わりません。むしろ「なぜするのか」について書けている人は意外と多くないです。
#科研費のコツ 46
— 科研費.com (@kakenhi_com) February 15, 2024
まったく異なるテーマの申請書を比較するのですから、実現可能性はどうしても審査員の印象次第になってしまうという側面があります(歯切れが悪い)。
その際、研究計画で予備データを示すことで、 ”あと少し感”を出しやすく好印象です。お勧めです。https://t.co/wvSVI1CcVt pic.twitter.com/dO8781RLcV
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ヒント:小文字のLではなく1です。
研究計画の読者のレベルをどこに設定するか
研究計画とは、これから何をどうするかについて書くところですが、「誰に向けて」説明するかによって説明の程度を変える必要があります。
専門家
研究室内でのセミナーや共同研究者との打ち合わせなど、背景知識が十分ある人を相手に説明するのであれば、「何を・どうするのか」をいきなり説明しても伝わるでしょう。むしろ、何回も聞いたような背景をされても「そんなのわかってるよ」となりかねません。
両親・学部学生
その反対に、明らかに背景知識が足りていない人に説明する時に、専門家に対してと同じような説明ではダメであることは明らかです。背景知識不足もあり、どう頑張っても申請者の考えていることを全て伝えきることはできませんが、それでも「なんだか良さそうだ」という評価はもらわないといけません。
このような状況では、具体的な手順を伝えることでアピールする以外の方法で、なんだか重要そうな研究を、色々考えて計画していることを示す必要があります。
審査員
審査員は一流の研究者ですが、あなたの分野に対しては非専門家です。立ち位置としては科学の常識は知っている「両親や学部学生」程度であり、専門家に対するような説明をしてしまうと伝わりません。
審査員にはまず、重要性・有効性を伝えよう
何を・どうするか、といった研究の手順あるいはMaterials&Methodsのようなものは伝わらないので、
研究内容だけからは審査員は研究の重要性を十分に理解できないので、審査員に向けて「この研究方法がいかに有効に機能し」「この研究アプローチなら研究目的に掲げた問題を解決できる(から重要だ)」と自ら説明してあげなければなりません。
伝わらない申請書の大半はこの部分が欠けており「あなたはプロなんだから、私の言いたいことを理解できて当然でしょ!」のような態度で説明し始めるので、うまく嚙み合いません。審査員は自分の専門分野のプロですが、あなたの分野に対しては素人(に毛が生えたようなもの)です。
のように、専門家に対してなら言わなくてもいいようなことを研究計画の冒頭に簡単ででも説明する必要があります。いきなり説明すると以下のような反応になってしまいます。