研究の実現可能性をアピールする上で、予備データは非常に重要です。

未発表の研究データの場合は、これまでの研究成果として書くのではなく、予備データに回す方が魅力的な場合すらあります(パターンB)。 やったことを時系列で書くのではなく、どこに何を書くかをデザインしましょう。

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審査員は研究内容についての細かいところはわかりませんので、どうしても「なんとなくの印象」による評価をしてしまいます。その際に、

  • まだ何も手をつけていない
  • うまくいくかわからない

という印象を審査員が受け、ゴールが通そうだ(実現できるか怪しい)と判断されると印象はよくありません。

それを回避するためには予備データ、すでに取り組んでいる実績は非常に重要です。

  • すでに予備解析をしている(だから、本番でも速やかに解析できる)
  • すでに予備実験を行っており、良さそうな結果を得ている(だから、研究の方向性は間違っていない)

など、研究がうまくいかないかもしれないと思わせるような点にあらかじめ答えを用意しておき、ゴールが近そうだ、あるいは、方向性は正しそうだと温和セルことが重要です。

予備データを示すことのメリット

  1. 新規性と独自性: 未発表データは、他の研究者がアクセスしていない可能性が高いため、提案される研究が新しい知見や視点をもたらす可能性を示します。これにより、研究のユニークな価値が評価されやすくなります。
  2. 先進性の証明: 未発表のデータを扱う能力は、研究者または研究チームがその分野で最先端にいることを示します。これは、技術的な専門知識や業界内での強力なネットワークを持っていることの証と見なされることが多いです。
  3. 影響力の可能性: 未開拓のデータを分析することで、その分野における重要な進展を促す可能性があります。このようなデータは、新しい理論の開発や既存の仮説への新たな挑戦をもたらすことができるため、研究の影響力が高いと評価される可能性があります。
  4. 競争力の強化: 未発表データを使用することは、他の申請者との明確な差別化を図ることができます。このような独自のリソースを持っていることは、研究提案の競争力を高め、採択の可能性を増加させます。
  5. 実現可能性の証明: 未発表データへのアクセスは、提案された研究が実現可能であることを裏付ける証拠となります。審査員は、提案された研究が具体的なデータに基づいていることを見て、成功する可能性が高いと判断するかもしれません。
  6. 専門性と信頼性: 未発表データを扱う能力は、研究者がその分野において高度な専門知識と技術を持っていることを示します。これは、研究の質と信頼性を高める要因となり得ます。

未発表データの使いどころ

背景で未発表データを示してしまうと、そこからが本研究のスタートとなってしまいハードルが高くなります。そのため、研究計画や独自性のスペースに余裕があるのであれば、その段階で未発表データを示すようにしましょう。

次のような表現とセットで未発表データを示すことが多いです。

研究計画

  • 申請者らはすでに〇〇〇を明らかにしており~
  • 申請者の予備的な解析から、〇〇〇であることが示されているため、本研究では~

独自性・創造性

  • 本研究で実施する〇〇〇は、申請者の未発表データ(可能ならもう少し具体的に)に基づくものである先進的な研究であるため(ここもどのような点でどう先進的かに触れられるとベター)、独自性は高い。
  • 申請者の予備的な解析から明らかにされつつある、〇〇〇は当該研究領域においてこれまで議論がなされてこなかった点であり、本研究の進展により〇〇〇が〇〇〇になると期待される。