「本研究は、〇〇〇(研究手法)を行う。」という目的を書く人がいますが、これは目的を達成するための手段です。例えば「〇〇〇により〇〇〇を明らかにすることで、〇〇〇を解明する」のように、「どうやって」「何を示すのか」までを含めてください。
#科研費のコツ 41
— 科研費.com (@kakenhi_com) February 10, 2024
手段の目的化
⭕️新しい技術(手段)で問題を解決する(目的)
ことを目指していたはずなのに、いつのまにか
✖️新しい技術(手段)の実施
そのものを目的としている
このような例はとても多いです。手段の概要と目的をセットで書くことで簡単に防げます。https://t.co/GYlSv6tYe9 pic.twitter.com/ukwfr4bBDc
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手段の目的化とは
ある研究目的を実現するための研究であるはずなのに、その研究手法を実行すること自体が目的化してしまうことです。たとえば、
のように、行為自体に焦点があたってしまっているケースはしばしば見られます。本研究で何をしますか?と聞かれているのではなく、本研究が最大限うまくいったら何を明らかにできるのですか?と聞かれています。
では、どう書けば良いのか
とはいえ、目的達成のための手段も重要です。たとえば、
と書いたところで、どうやって?と疑問が出てきます。読み進めて研究計画にまでたどり着けば、「どうやって」に対する説明も書かれているのでしょうが、それでは不親切です。そこで、
や1/100を達成する手段をもう少しだけ詳しくして、
のように書きます。
ポイントは
- 目的に対してどういう手段を用いるのか、を簡単に書く(新素材である〇〇〇を利用する、〇〇〇により)
- その結果どうなるのかを簡単に書く(車体重量を従来の1/100にし、〇〇〇を明らかにする)
- 「本研究の」*目的を書く(燃費を3倍以上向上させた自動車の開発、〇〇〇を解明する)
目的にはいろいろなレベルがありますので、ここでは「本研究の」目的を書くように意識してください。大きすぎる目的(たとえば化石燃料の消費量を減らし、持続可能な社会を構築する)を書いてしまうと本研究が結局どこを目指しているのかがわからなくなってしまいます。