科研費や学振に独特な「研究課題の核心をなす『問い』」は、油断すると目的と同じになってしまい、非常に書きづらい項目です。そうした繰り返しを回避するためにいくつかの「背景と問い」の主要なパターンを紹介します。

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きっかけに続けて書く場合

〇〇〇は〇〇〇において非常に重要な問題であるが、その詳細な制御メカニズムは不明のままである。したがって、「〇〇〇において、〇〇〇はどの程度重要か?」という問いは、本研究領域の核心をなす学術的「問い」であるにもかかわらず、全く手つかずのままであった。

〇〇〇は〇〇〇盛んに研究されてきた一方で、〇〇〇はほとんど明らかにされていない。このため、〇〇〇における〇〇〇の重要性の検証はいまだなされておらず、このことが研究の進展を妨げており、本研究領域の核心をなす学術的「問い」として位置づけられている。

のように、これまでの研究ではある視点がごっそりと抜け落ちていて、それこそが研究課題における問いそのものである、というような書き方になります。

アイデアに続けて書く場合

こうしたことから、〇〇〇は〇〇〇であると考えられた。したがって、本研究領域の核心をなす学術的「問い」は「〇〇〇において、〇〇〇はどのような役割を果たしているのか?」であり、これを示すために以下の研究を計画した。

〇〇〇は〇〇〇であると考えられた。こうしたことから、〇〇〇を〇〇〇することで、「〇〇〇はどのように〇〇〇しているか?」という本質的な問いに答えることができると考えられた。

のように、あるアイデアから導かれる疑問に答えることや、あるアイデアを用いることによって、研究課題における問いに答えをだせる、というような書き方になります。こうした場合に、

こうしたことから、申請者は、手袋をすることで寒さを防げると考えた。そこで本研究の「問い」として、「手袋をすることで寒さを防げるか?」を設定する。

のように、「問い」がアイデアの繰り返しにならないように気をつける必要があります。

こうした重複を回避するアイデアのひとつとして、

〇〇〇であると考えられる。こうしたことから、本研究課題の核心をなす「問い」として、「〇〇〇をすることで〇〇〇できるか?」を設定し、これを検証することで、〇〇〇に対して答えを出せると考えた。

そこで本研究は「〇〇〇を〇〇〇することで〇〇〇できるのか?」を研究課題の核心をなす問いとして設定し、…

のように、アイデアと問いを一体化させ、アイデアが「問い」そのものであると書くことはできるでしょう。

現在の状況に続けて書く場合

多くの申請書はこのパターンです。

このように、〇〇〇であることが(予備的な研究から)示されている。〇〇〇が〇〇〇であることを考慮すると、〇〇〇が〇〇〇ではないだろうか?この(これらの)問いは〇〇〇を解き明かす重要な鍵となると考えられる。

こうした結果は、〇〇〇につながると期待されるが、〇〇〇の〇〇〇についてはまったく明らかにされておらず、本研究課題の核心をなす学術的「問い」として残されたままである。

のように、現在の状況に続けて書くと、少し前の状況→アイデア1→現在の状況→問い(アイデア2)のように、「問い」はアイデアのような性質を持ちます。