背景、問題提起、アイデア、計画など申請書の各要素はたいてい2段構えで書くとうまくいきます。

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2段構えの法則とは

前の文章を詳しく書いたり、デメリットを示してからそれに対する解決方法を示したり、など話の展開を2段構えにすることで、申請書の内容をより印象的にする手法です。

この手法は色々なシーンで使うことができます。

背景

〇〇〇は〇〇〇である。しかし、〇〇〇については、…

〇〇〇は〇〇〇である。なかでも、〇〇〇は○○○であり、〇〇〇であることが報告されている。しかし、〇〇〇については、…

背景における2段構えとは「広い分野の背景」と今回の研究計画に関わる「狭い分野の背景」の2つです。広い分野の背景説明から、いきなり今回の研究における問題点の指摘にはつなげられないので、いったん狭い分野の背景を挟むことで、スムーズにつなぐことができます。

問題点の指摘

しかし、〇〇〇は明らかにされていない。そこで本研究では、…

しかし、〇〇〇は明らかにされていない。この問題に対しては、〇〇〇の有効性が示唆されているとものの、〇〇〇である点が課題として残されており、いまだ〇〇〇の同定には至っていない。そこで本研究では、…

問題点における2段構えとは「本研究で明らかにしたい問題点」とそのための解決方法を実施するうえでの実施するうえでの「具体的な問題点」の2つです。

指摘した問題に対するこれまでの取り組みについて触れたうえで、それでもまだ問題が残されていることを指摘します。これにより、(1)この問題は複数の研究者が取り扱ってきた問題である(≒他の人も価値を認めている)こと、(2)問題の所在をより具体的にすること、が可能になります。

研究のアイデア

申請者は、〇〇〇することで〇〇〇できると着想した。そこで、…

申請者は、〇〇〇することで〇〇〇できると着想した。実際、〇〇〇は〇〇〇であることが報告されている。そこで、…

研究のアイデアにおける2段構えとは「アイデア」と「その根拠」の2つです。アイデアだけではうまくいくかどうかわからず、審査員も評価しようがありません。それに対して、アイデアがうまく行きそうである根拠を

  • 他人の論文
  • 予備データ
  • アナロジー

などに求めることで、説得力をあげることができます。

研究計画

〇〇〇を〇〇〇することで、〇〇〇を明らかにする。

〇〇〇を〇〇〇することで、〇〇〇を明らかにする。仮に、〇〇〇がうまくいかない場合でも、すでに得ている〇〇〇についてのデータを利用して、〇〇〇することは可能である。

研究計画における2段構えとは、「研究計画本体」と「うまくいかない時のバックアッププラン」の2つです。うまく行かない場合に打ち手が無い研究計画は高リスクです。そして、全てがうまくいくことはまずありえません。

うまく行かない場合にどうするのかや、その場合でもできることがあることを示すことで研究計画に厚みがでます。

なぜ2段構えうまくいくのか

これは審査員の心の声を先取りする形になっているからです。すなわち

〇〇〇は〇〇〇である。しかし、〇〇〇については、…

(え、それに関連して何かわかっていることは無いの?)

しかし、〇〇〇は明らかにされていない。そこで本研究では、…

(え、それに関連して何かわかっていることは無いの?)

申請者は、〇〇〇することで〇〇〇できると着想した。そこで、…

(その着想はどれくらい正しそうなんだろう?何か根拠があるのだろうか)

〇〇〇を〇〇〇することで、〇〇〇を明らかにする。

(自信満々に書いているけど、できなかったときにどうする気?)

のように審査員は読みながらツッコミを入れていますが、2段構えではこのツッコミを予め想定し、それにこたえる形で説明をしているので、審査員の満足度は非常に高まります。