申請書と論文は、どちらも公式な文書であり、特定の目的や要求を伝えるために書かれる点で共通しています。しかし、その内容や形式にはいくつかの明確な違いがあり、別物です。論文を書く時のテクニックをそのまま申請書作成に適用しないようにしましょう。
#科研費のコツ 13
— 科研費.com (@kakenhi_com) January 13, 2024
学術論文と申請書には共通点も多いですが、まったく別物です(当然ですが)。
そのため、論文の構成や図表をそのまま申請書に採用することは危険です。審査員が何を求めているかを理解し、評価される申請書を目指しましょう。https://t.co/TlrDlBE0N8 pic.twitter.com/ANE2alatby
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共通点:
- 公式な文書: どちらも公式な文書として扱われ、正確さや明瞭さが求められます。
- 情報の提供: 申請書や論文の主な目的は、情報やデータをもとに書き手の主張を示すことです。
- 構造: どちらもある程度の構造やフォーマットが存在し、それに従って書かれます。
相違点:
- 目的:
- 申請書: まだ成果のない研究計画の妥当性を理解してもらうための文書。
- 論文: これまでに出た研究成果を共有するための文書。新しい知識や情報を提供することが主な目的。
- 内容:
- 申請書: 背景、問題点、目的、研究計画、独自性・妥当性・創造性(展望)などを通じて、これから行うことの価値を認めさせる内容。詳しい研究方法ではなく、何のためにするのか、どこに成功の基準を設定するかなどが重要となる。
- 論文:背景、問題点、目的、材料と方法、結果、考察などを今回の研究で行ったことの価値を詳細に記述する。再現性を確保するための詳細な方法の記述と、
- 想定される読み手:
- 申請書: 主に、申請者の研究テーマとは別な分野の研究者。基本的に読みたいとは思っておらず、仕事として読んでいる。
- 論文: 主に、申請者の研究テーマと関係する分野の研究者。興味や関心があり、読みたいと思って、自発的に読んでいる。
申請書とはまだ形になっていない研究の価値を分野外の大して読みたいとも思っていない審査員に読んでもらい・内容を認めてもらうための物です。論文とは異なり、なぜするのか、どうなれば成功なのかなど、より基本的なところを中心に説明する必要があります。