余白を埋める

学振や科研費の申請では書く欄が小さいため、余白が問題になることは少ないです。逆に言えば、余白が目に余る申請書は(それが狙ったものでない限り)、とても悪目立します。学振や科研費の審査は相対的なものですので、審査員は常に1や2の低評価をつける理由を探しています(理由を書かないといけないので)。そうした中において、余白のある申請書は格好の餌食です。

以下のように、同様のことを考えている審査員は他にもおり、おそらく多くの審査員が多かれ少なかれ感じていることなのでしょう。

ほとんどの申請書では、どの項目も最後の一行まで、あるいは、二、三行程度を残す程度にびっしりと文章で埋められています。研究計画が具体的に書かれていれば、別に最後の一行まで埋める必要はないと考える審査委員もいると思いますが、私個人的には、(科研費の申請書に限らず)びっしりと文章で埋められた申請書を見ると、それを書いた人の熱意がひしひしと伝わってきて、読んでいて楽しいものです。

逆に言えば、空欄が目立つ申請書は悪い意味ですごく目立ちます。自分の研究計画をアピールできる点はいくらでもあるだろうに、それを自ら放棄しているような申請書は、正直なところ、誰が読んでもかなり印象は悪いと思います。この人は本当に研究がしたいのではなく、所属機関の事務や上司に言われてしぶしぶ応募しているだけでは…と勘ぐりたくもなります。

今は無きサイトより、文意を元に科研費.comが執筆

余白を埋めるための特効薬はなく、

  • 各項目で何を問われているかをしっかりと理解する
  • 研究対象を深く理解する
  • どういった研究をすればどの程度の主張ができそうなのかの「相場観」をしっかり持つ

などが必要です。特に余白の目立つ申請書の多くは、背景や問題意識が十分に説明されていない、研究計画が非常に単純で研究量が不足しているといった事例です。

テクニカルには行間の調節やフォントサイズの調節で数行は増減させることが可能ですが、あまり本質的な解決策ではありません。

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