申請書で自分の独自性を出すために、先行研究を不必要に削っていませんか? 審査員はその分野の専門家。「これまでの研究はダメだ」と叩くより、先人の成果に敬意を払い「ここまでわかったから次はこの謎に挑む」と継承する方が、説得力は格段に上がります。

先行研究を「叩く」申請書が審査員を白けさせる理由

自分の研究の新規性や独自性を際立たせたいあまり、先行研究の欠点や限界を必要以上に強く指摘してしまう申請書は後を絶ちません。背景や目的の欄に、過去の研究がいかに不十分であり、決定的な証拠に欠けているかを書き連ねてしまうアプローチです。

しかし、このような文章を読んだ審査員は、提案された研究の素晴らしさに感心する前に、書き手の独善的で攻撃的な姿勢に引っかかりを覚えます。なぜなら、審査員自身がまさにその分野を牽引してきた専門家だからです。あなたが厳しく批判した先行論文の著者本人が審査員かもしれませんし、その研究を高く評価している共同研究者かもしれません。

先人の積み重ねを無下にするような記述は、学術的な謙虚さを欠いているとみなされます。無用な反感を買うだけでなく、「この申請者は学問の歴史的文脈を正しく理解していないのではないか」という疑念すら抱かれかねません。学術研究は連綿と続く知のバトンリレーです。前の走者の走りを貶めて自分の速さをアピールするような態度は、リレーの参加者として不適切だと受け取られてしまうのです。審査員は、不要な摩擦を生む挑発的な文章ではなく、分野の発展に確実に寄与する理路整然とした提案を探しています。

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