誰からも批判されない無難なは背景、誰の心にも刺さりません。審査員が評価するのは、既存の定説に潜む「矛盾」を突き、学問の前提を問い直す鋭い課題設定です。定説と対峙するリサーチギャップの作り方を解説します。

誰もやっていない空白を探すことの落とし穴
科研費の申請書において背景を執筆する際、審査員から指摘を受けないことを最優先にしてしまうことがあります。特定の学説に偏ることを恐れ、あらゆる視点に配慮し、論理の穴を徹底的に塞ごうとする防衛的な姿勢です。その結果、リサーチギャップとして提示されるのは、既存の学問体系の隅に存在する、誰の領域も侵さない安全な空白となります。
まだ誰も調べていない対象を見つけること自体は間違いではありません。しかし、誰からも批判されない無難な課題設定は、審査員にこの研究を今すぐ支援しなければならないという強い動機を与えません。
学術界において、誰も手をつけておらず、かつ誰もが重要だと認める無傷の空き地が残っていることは稀です。批判を恐れて本流を避け、辺境の細部へと逃げ込んで設定したギャップは、審査員から見れば単なる調査不足や意義の薄い提案に映りかねません。本記事では、無難な空白探しから脱却し、分野の主流となっている定説の限界をリサーチギャップとして定義し直す論理構成について解説します。
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