分野融合型の申請書において審査員が読みたいのは、両分野の知識を並べた構成ではなく、なぜその異分野の手法が必要なのかという論理的な理由です。単調な構成から抜け出し、他分野の知見を組み合わせて課題を突破するための具体的な手順を解説します。

分野融合の申請書にありがちな「足し算」の罠

分野融合型の研究は、学術界に新たな展開をもたらすものとして近年ますます高く評価される傾向にあります。科研費や学振の審査においても、複数の領域を横断し、新しい学術領域の創成を予感させる提案は、審査員の関心を強く惹きつけます。しかし、申請書において分野融合を掲げる多くの研究者が、文章を構成する段階で大きな勘違いに陥っています。

その勘違いとは、分野融合を単なる学問領域の足し算として捉えてしまうことです。多くの申請書で見られる失敗パターンは、前半のページで自身の専門分野の歴史と現状を語り、続くページで新しく取り入れる他分野の手法や理論を解説し、最後にその二つを組み合わせて新しい研究を行います、とまとめる構成です。これは情報の羅列であり、厳しい言い方をすれば既存の知識を順番につなぎ合わせただけにすぎません。

なぜこのような書き方になってしまうのでしょうか。真面目な研究者ほど、新しく取り入れる他分野に対する敬意や、自分自身がその分野をしっかり勉強したという事実をアピールしたいという心理が働きます。その結果、申請書の限られたスペースを割いて、他分野の基礎知識や確立された手法の解説を延々と書いてしまうのです。

しかし、このような申請書を読む審査員は、専門的な背景知識を立て続けに読まされた挙句、それらがどう結びつくのかという肝心な論理が掴めず、深い疲労感を覚えます。審査員が知りたいのは、二つの分野の教科書的な知識のまとめではありません。なぜその二つの領域を、今このタイミングで組み合わせる必要があったのかという研究としての妥当性です。

自身の専門分野における単調なアプローチでは解決できない課題があるからこそ、異分野の知見が必要になります。単なる足し算の構成から脱却し、審査員を論理的に納得させるための構成案について解説します。

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