倫理欄の定型文は、手続を知っていることの証明にはなっても、その研究で誰に何が起こり得て、どの設計で危険を下げるかの説明にはなりません。定型語を削るのではなく、研究固有の対象・場面・責任へ展開します。
「倫理審査・同意・匿名化・適切な管理」だけでは判断材料が足りない
科研費申請書の倫理欄には、「必要な倫理審査を受ける」「十分な説明の上で同意を取得する」「データを匿名化し、厳重に管理する」と書かれがちです。これらは不要な言葉ではありません。しかし、同じ文章を臨床研究、聞き取り調査、オンライン投稿分析へそのまま置けるなら、研究固有の計画はまだ見えていません。
本記事の対象は、一般的な倫理定型文をすでに書いているものの、取得情報、参加者の選択、再識別、アクセス権、引用・公開、開始条件が読めない申請書です。必要な手続を網羅的に診断する作業は09-26、活動とリスクの対応付けは09-27、全工程を一枚に統合する作業は09-29で扱います。ここでは一段落の書換えだけに集中します。
読後には、元の定型文、具体化した七つの注釈、申請書へ戻す完成文を一組にした「注釈付きBefore/After」が残ります。
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