間接経費を認めない財団へ応募するとき、予算書を直接研究費だけで整えると、採択後に「機器は買えたが設置できない」「調査はできたがデータを保管できない」「契約手続の担当が決まっていない」といった停止点が残ります。助成金で購入する物品や旅費だけでなく、研究を成立させる機関機能まで見なければ、実施可能性は確認できません。

ここで扱うのは、禁止費目を別の調達方法へ置き換える技術ではありません。間接経費が支給されない条件下で、助成経費、所属機関が追加で負担するもの、既存基盤として無償利用できるもの、まだ確認できていないものを分ける作業です。対象は、財団の経費規程を読んだものの、学内受入後の負担まで申請書へどう示すか迷っている研究者です。

「研究費が足りる」と「機関が受け入れられる」は別の判断

申請予算が助成上限内に収まっていても、所属機関側に新たな支出、契約、保守、安全管理、データ保存、報告対応が発生することがあります。共用設備が存在していても、利用料、予約優先度、消耗部品、技術職員の支援、故障時の代替、助成終了後の保管まで自動的に提供されるとは限りません。

したがって、申請書で「本学の設備を利用するため実施可能である」とだけ書くのは不十分です。確認すべきなのは設備の有無ではなく、研究工程ごとに必要な機能が、誰の権限と負担で、いつまで利用できるかです。この記事を読み終えると、採択後の停止点を事前に洗い出す「助成経費・機関負担・既存基盤の実施条件表」が完成します。

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