挑戦的研究を「核心前提が正しければ大きな成果が出る」という一本道で書くと、前提が支持されなかった場合に研究価値まで消えて見えます。核心前提、支持・不支持を分ける判定、各分岐で得る学術的リターン、その後の研究経路を一枚にすると、結果を予言せずに挑戦の価値を示せます。
成功物語だけでは、研究計画ではなく期待の説明になる
挑戦的な構想では、まだ確かめられていない前提を置く必要があります。しかし、申請書が「新しい仮説を検証し、成功すれば分野を変える」とだけ進むと、審査員には二つの空白が残ります。何をもって前提が支持されたと判断するのか。支持されなかったとき、研究はどの問いへ進むのか、です。
この空白を埋める道具が分岐表です。分岐表は、失敗時の作業手順を並べるプランB表ではありません。結果Aと結果Bが、それぞれ何を否定し、何を残し、次の研究選択をどう変えるかを先に設計する表です。測定不能や試料不足への対処は方法上のリスク管理であり、ここで扱うのは「判定結果が異なったときの学術的な進路」です。
無料部分で確認したいのは一点です。核心前提が不支持だった場合に「条件を変えて再試行する」しか書けないなら、まだ分岐ができていません。不支持という結果によって、別の説明を採用する、対象範囲を狭める、別の変数を中心に据えるといった研究上の判断が変わる必要があります。
このアーカイブはゴールド会員限定です
この記事は、毎年 8月23日 の当日のみ無料公開されます。
本日は対象外の日付のため、アーカイブの閲覧にはゴールド会員への登録が必要です。
所属機関に有料版をおねだりしませんか?