「具体的には」は、前の主張が指す範囲を確定する言葉です。「例えば」は、確定した範囲を理解しやすくする一例を添える言葉です。両者を入れ替えると、予定していない研究まで実施事項に見えたり、実施する内容が単なる候補に見えたりします。
抽象語の後ろに何を置くかで、計画の確定範囲が変わる
科研費の申請書では、「多面的に評価する」「多様な事例を扱う」「関連要因を検討する」「適切な条件を設定する」といった抽象語が必要になることがあります。複数の対象や観点をまとめるための言葉なので、抽象語そのものをすべて削る必要はありません。
問題は、その直後の説明が研究計画の確定内容なのか、読者の理解を助ける例なのかが曖昧な場合です。「多面的に評価する。例えば、形態、機能、行動を解析する」と書けば、三つを必ず測るのか、候補の一部なのか判断できません。審査員は不足を補って読むことはできますが、申請者の約束範囲まで推測させるべきではありません。
抽象語の後ろを直すときは、詳しい名詞を増やす前に、後続部分の役割を決めます。計画の範囲を限定するなら「具体的には」、理解用の一例なら「例えば」を使います。この区別だけで、文章の具体性ではなく、計画の境界が明確になります。
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