異分野への波及を書くときは、波及先の分野名だけでなく、本研究から移せる成果と、その成果が使われる研究作業との対応を示します。誰が、どの問いや分析に使うのか。利用にはどのような条件があり、どこまで適用できるのか。ここまで書くことで、成果の利用可能性を具体的に伝えられます。

「他分野にも使える」だけでは利用方法が見えない

科研費などでは書くスペースは十分ではないので、以下の話は考えなくても良いのですが、社会実装をきたいされるような研究費や、非常に書くスペースが長いような申請書の場合、研究成果の波及可能性を示そうとして、「本成果は広く応用できる」「他分野の発展にも貢献する」と書くことがあります。こうした表現からは、研究の広がりを意識していることは読み取れます。しかし、何が移り、誰がどのように使うのかは分かりません。

異分野への波及を具体化するには、分野名を増やすよりも、成果と利用方法の関係を明らかにする必要があります。たとえば、「情報科学にも材料科学にも応用できる」と波及先を並べても、それぞれの分野で同じ成果が同じように使われるとは限りません。方法が移る場合もあれば、データ、評価指標、説明枠組み、新しく見いだされた問いが利用される場合もあります。

そこで、まず本研究から得られるもののうち、研究対象を離れても利用できる成果を特定します。次に、その成果を利用する可能性がある研究者と、利用される作業を結びます。最後に、別分野へ移すための条件と適用範囲を明記します。

この書き方は、異分野への展開が実現すると断定するためのものではありません。本研究の成果が、どのような条件のもとで次の研究に利用され得るかを、検討可能な形で示すためのものです。

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