「研究環境」は「研究の準備状況」と似ており、人によってはほとんど区別していない場合もありますが、実際には異なる内容です。

研究環境で示すべき内容

研究遂行に必要な研究施設・設備・研究資料などについてを書きます。基本的には、全て揃っており、十分に研究遂行が可能であると書く以外の選択肢はありません。

  • 研究するための部屋・居室、飼育・栽培スペースなどが整っている。
  • 電源工事、必要な対策、申請などは終わっている、あるいは、研究開始までに終わる見込みである
  • 学生の配属など、研究体制が整っている。
  • (プロジェクト雇用や社会人などの場合など)本研究を遂行するための時間・エフォートの確保ができている。
    例:本研究の遂行に必要なエフォートは〇〇%であり、〇〇〇を工夫することにより限られたエフォートの中でも本研究の遂行は十分に可能である。

など、文字通りの意味で、研究するための環境が整っているかどうかであり、研究環境が整っている≒研究を遂行できる状況にある≒研究の実行可能性が担保されている、という理屈です。

また、備品等について全てが揃っていると書いてしまうと、研究費で備品を買う理由が無くなってしまいますので、一工夫が必要です。

  • 現有設備あるいは共通機器の利用により本研究で計画している実験のほとんどを実施可能であるが、〇〇〇については新たに〇〇〇を購入することで対応する。
  • 研究室の規模拡大により(購入から年月が経過していることにより)、〇〇〇については新たなものに交換する必要があるため、本研究で〇〇〇を購入する。その他の機器類ついては更新は不要であり現有の設備で十分に研究は遂行可能である。

研究の準備状況との違い

研究環境との違い
似たような内容を書く欄として研究環境があります。研究環境では、研究遂行の前提となる施設・設備の状況やエフォート、人員など、文字通りの意味で研究そのものを実施するための環境について書きます。一方で研究の準備状況では、材料がある、すでに始めている、予備データがあるなど他の研究ではなく「本研究」を実施するための準備状況について書きます。

ここはそれほど書くことはなく、せいぜい5-10行も書けば十分です。他で書くべき内容を含む形でダラダラと書かないよう、そして、研究環境と同じ内容を繰り返して書かないように気を付けてください。

「研究の準備状況」の書き方 研究環境との違い

同じことの繰り返しになりますが、研究環境は、ハード面、ソフト面での研究を遂行するための環境についてであり、ここも「環境は整っている」と書く一択であり、5-10行も書けば十分です。ここを頑張って書いてもそれほど良いことはなく、業績リストをしっかり書く方が大切です。