これまで、研究発表におけるスライドデザインの技術を解説してきました。
しかし、ブログ記事だけでは伝えきれない奥深い理論や、さらに細かいテクニックがまだまだあります。
今回は、本連載の執筆にあたって参考にした、そして私自身が**「研究者はこれだけ読んでおけば間違いない」**と確信しているWebサイトと書籍を紹介します。
デザインの勉強に終わりはありません。
これらの「バイブル」をブックマーク、あるいはデスクに置いておくだけで、あなたのスライド作成能力は一生モノのスキルになります。
1. 殿堂入りの神サイト:これを知らずしてデザインを語るな
日本の研究者で、このサイトを知らないのはモグリと言っても過言ではありません。
① 伝わるデザイン|研究発表のユニバーサルデザイン
- URL: https://tsutawarudesign.com/
- 対象: 全分野の研究者、学生
- ここが凄い:
本連載でも度々触れた「読みやすいフォント」「配色のルール」「レイアウトの基本」など、日本人研究者が知っておくべき知識の全てがここに網羅されています。
特に「悪い例(Before)」と「良い例(After)」の比較が秀逸で、なぜダメなのかが理屈でわかります。まずはここを隅から隅まで読んでください。
② The Power of PowerPoint
- URL: https://ppt.design4u.jp/
- 対象: PowerPointの機能を使い倒したい人
- ここが凄い:
「デザインの理論はわかったけど、パワポでどう操作すればいいの?」という疑問に答えてくれるサイトです。
「図形の結合」「ショートカットキー」「テンプレート作成」など、**具体的な操作手順(How-to)**が非常に詳しく解説されています。時短テクニックを極めたいならここです。
2. デザインの基礎体力をつける「必読書」
Webサイトは検索には便利ですが、体系的に学ぶにはやはり「本」が一番です。研究室に一冊置いておくべき書籍を厳選しました。
③ ノンデザイナーズ・デザインブック
- 著者: Robin Williams
- こんな人へ: デザインの「4つの基本原則」を知りたい人
- 解説:
世界中で読まれているデザインの入門書です。
**「近接・整列・反復・コントラスト」**という、デザインの4大原則を言語化した名著。なぜスライドが素人っぽくなるのか? その原因が論理的にわかります。スライドに限らず、ポスターや申請書作りにも役立ちます。
④ 伝わるデザインの基本 増補改訂3版
- 著者: 高橋 佑磨、片山 なつ
- こんな人へ: Webサイト版「伝わるデザイン」を手元に置きたい人
- 解説:
先ほど紹介したWebサイトの書籍版です。Web版よりも情報が整理され、高解像度の実例が多数掲載されています。
「良いフォント、悪いフォント」「グラフの作り方」など、辞書のように使えるので、スライド作成中に迷ったときに開く一冊として最適です。
3. 分野別・目的別の最強リソース
⑤ 科学プレゼンテーションの鉄則(Antyoco)
- こんな人へ: 「構成(ストーリー)」も含めて学びたい人
- 解説:
デザインだけでなく、**「どう話せば伝わるか」「どう論理を組み立てるか」**というプレゼンの構成術に重点を置いた情報源を探している場合におすすめです。理系特有の「事実と解釈の区別」などの解説が非常に実践的です。
⑥ カラーユニバーサルデザイン機構(CUDO)
- URL: https://www.cudo.jp/
- こんな人へ: 色覚バリアフリーについて正確に知りたい人
- 解説:
「色覚多様性(色盲・色弱)」の方々に見やすい配色は、もはやマナーではなく義務になりつつあります。
どのような色の組み合わせが識別しにくいのか、どう配慮すればよいのか、正確なガイドラインが公開されています。
まとめ:巨人の肩の上に立とう
私たちがゼロからデザインのルールを発明する必要はありません。
先人たちが築き上げてきた「見やすい法則」や「失敗しない型」が、すでにこれだけのクオリティで公開されています。
- 「伝わるデザイン」で基礎理論を学ぶ。
- 「The Power of PowerPoint」で操作技術を学ぶ。
- 「ノンデザイナーズ・デザインブック」で審美眼を養う。
これらを参考にしながら、ご自身の研究内容に合わせてカスタマイズしていってください。
「巨人の肩の上に立つ」(先人の知恵を借りて、さらに遠くを見る)。
これは研究だけでなく、スライド作成においても同じことなのです。
※本記事で紹介したWebサイトや書籍は、記事執筆時点の情報に基づいています。リンク切れや版の変更にご注意ください。