研究者を目指す志望動機として「親ががんであったため、がん研究に興味を持った」といった個人的な経験や感情を強調するのは避けるべきです。

  1. 専門性欠如: 個人的な動機の過度の強調は、専門的な興味や能力に対する理解が不足しているとみなされる可能性があります。
  2. 客観性喪失: 科学研究は客観性を要求されるため、過度に個人的な感情に基づく動機は、研究者としての客観的な姿勢に疑問を投げかけることになります。
  3. プロフェッショナリズムの不足: 個人的な経験のみを強調することは、プロフェッショナルな環境での適切なコミュニケーション能力や研究者としての成熟度が不足していると捉えられる可能性があります。
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個人的な経験や感情を前面に出さない

専門性と客観性の重視

研究職は専門的知識と客観的なアプローチが求められる職業です。個人的な経験や感情を強調することは、研究者としての客観性や専門的な姿勢に疑問を投げかける可能性があります。研究者の仕事は、個人的な情緒ではなく、事実とデータに基づいた分析や研究に重点を置くことが期待されています。

プロフェッショナルな印象の維持

研究職への応募書類では、プロフェッショナルな印象を与えることが重要です。個人的な動機や経験を過度に強調すると、自己中心的または感情的に映る可能性があります。研究者としての職務においては、合理的かつ科学的なアプローチが求められるため、そのような資質を前面に出すことが望ましいです。

研究への真剣な取り組みの示唆

:応募書類では、研究に対する真剣な取り組みや情熱を示すことが必要です。しかし、個人的な経験を主な動機とすることは、研究の深さや広がりに関する理解が不足していると解釈されるリスクがあります。研究者としてのキャリアにおいては、個人的な動機を超えた、広範囲にわたる興味やコミットメントが重要とされます。

研究の普遍性と影響の強調

研究者としての動機は、個人的な経験を超えた、より広い社会への影響や貢献に重点を置くべきです。例えば、がん研究の場合、個人的な経験を語るのではなく、その研究がどのようにして広く社会や医学に貢献するかを強調する方が効果的です。

長期的なキャリアビジョンの展開

研究者としてのキャリアを考える際、長期的なビジョンや目標を持つことが重要です。個人的な経験のみに基づいた動機では、そのような長期的な視野が欠けていると見なされることがあります。研究分野に対する深い理解と将来的な目標を示すことが、研究者としてのポテンシャルをアピールする上で有効です。


総じて、研究者になりたいという動機を説明する際には、専門性、客観性、プロフェッショナリズム、そして研究の普遍性と長期的な影響を強調することが重要です。個人的な経験や感情は、動機付けの一部として語ることは可能ですが、それらを主要な焦点とするのではなく、より大きな研究目標やビジョンに結び付けることが望ましいです。

ではどうすればよいか

個人的経験と専門的興味の結びつき

個人的な経験は、研究に対する情熱の源泉となり得ますが、それだけでなく、その経験がどのように専門的な興味や研究の目標につながるかを強調します。例えば、「親ががんであった経験から、がん治療の進歩に貢献したいという強い動機を持ちました。特に、XX分野の研究がどのようにして患者の生存率や生活の質を改善できるかを深く理解し、貢献したいと考えています」といった形で表現すると良いでしょう。

研究への具体的な貢献を強調

あなたの研究がどのようにしてその分野に具体的な影響を与えるかに焦点を当てます。具体的な研究目標、興味のある特定の問題領域、またはあなたが追求したい新しいアプローチについて説明します。

長期的なキャリア目標を展開

あなたが研究者としてどのようなキャリアを築きたいか、どのように社会に貢献したいかを説明します。個人的な動機が長期的なプロフェッショナルな目標にどのように結びつくかを示すことが重要です。

専門知識と技能の強調

あなたがこれまでに獲得した関連する知識やスキル、経験を強調し、それがどのようにしてあなたをその研究分野で成功させるのに役立つかを示します。

学術的な興味と好奇心を示す

研究分野に対する深い学術的な興味と好奇心を示し、どのようにしてそれがあなたの研究動機と結びつくかを説明します。


このように、個人的な経験を研究動機として用いる際には、それを専門的な文脈に位置づけ、長期的なキャリア目標や学術的な興味と結びつけることが重要です。これにより、個人的な経験を尊重しつつも、プロフェッショナルでバランスの取れた志望動機を提示することができます