申請書の準備状況は、意外と書ける内容が限られています。基本的には「準備ができている」「準備を進めている」と書く一手です。しかし、いくつか注意点もあります。
#科研費のコツ 55
— 科研費.com (@kakenhi_com) February 24, 2024
「研究の準備状況」では、準備はできていると書く一手であり、どの申請書でも大した違いはありません。
以下の3つのパターンであることが多いです。
1⃣ 準備はできており、すでに始めている
2⃣ 準備はできている
3⃣ 研究開始までに準備は完了する見込みだhttps://t.co/mNosfDgJHZ pic.twitter.com/NgrqC1DqkF
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準備状況で書いてはいけない内容
「研究の準備状況」の書き方にもあるように、準備は出来ているあるいは進めつつあると書く以上のことは書けません。
一方で書いてはいけない内容としては以下のものがあります。
これらの例は、研究の準備が不十分であるか、または研究計画の具体性が欠けていることを示しています。
研究材料や方法に関する不確かな記述
研究材料や方法に関する記述は、具体的で明確であり、研究の実行に向けた準備が適切に行われていることを示すべきです。これにより、研究計画の信頼性が向上し、申請書の評価に肯定的な影響を与えることができます。
協力者や共同研究者との未確定な関係
この記述では、重要な協力者が誰なのか、彼らとどのような協力体制を築いているのかが不明であり、研究を効果的に進めるための具体的な計画が存在しないことを示唆しています。
協力者や共同研究者に関する記述は、具体的で明確である必要があり、計画された研究の成功に不可欠な協力体制が確立されていることを示すべきです。これにより、研究計画の実行可能性と信頼性が高まります。
調査の協力施設やサンプルの確保に関する不明瞭な計画
この記述では、研究が承認されるまで協力施設やサンプルを確保していないことを示しており、計画の初期段階での準備不足を露呈しています。
協力施設やサンプルの確保に関する記述は、明確で具体的である必要があり、研究計画の実行に必要なリソースが確保されていることを示すべきです。これにより、計画の実行可能性と信頼性が高まり、申請書の評価に肯定的な影響を与えます。
各種申請・許可に関する不明確な状況
この記述では、研究開始前の重要な申請が未完了であること(あるいは準備されていないこと)が示されており、研究の開始が遅れる可能性や対応が必要な規制等に対する不注意が示唆されます。
各種申請・許可に関する記述は、研究計画が法的要件や規制に適合していることを確実に示す必要があります。これにより、計画の信頼性が高まり、実行に向けた準備が整っていることが示されます。
既存の実験や予備データに関する不足
予備データを準備状況に書く人がいますが(そして、完全にダメとは言えないのですが)、基本的には研究計画あるいは独自性(もったいないですが背景)で示すべきものです。
既存の研究結果との関係については、わざわざ書く必要もなく、書くことでかえって準備不足であることを露呈するような書き方になってしまっています。これは、研究計画が構築される前の重要な初期段階のデータが不足していることを示しており、仮説や方法論の妥当性を評価する基盤が弱いことを暗示しています。
これらはいずれも書く必要のないことです。
資金不足に関する直接的な言及
このような強い資金依存の表現は、研究の基礎となるリソースの確保に失敗していることを示しています。これは、計画の実行可能性に疑問を投げかけると同時に、申請者の計画立案能力に対する懸念を生じさせる可能性があります。また、研究計画が資金面で非常に脆弱であることを示し、リスクが高いと見なされる可能性があります。
申請書を書いている時点で研究資金が必要であることは明らかですので、あえて書く必要もないことです。
科研費などでは、「人権の保護及び法令等の遵守」という項目が別に用意されているので、準備状況で重ねて書く必要はありません。