目的や計画で「〇〇〇を行う」で止まっている人が多い印象ですが、どのような結果が得られれば この研究は成功した と言えると考えているのかがわかりません。
「〇〇〇を行い、△△△を明らかにする」のように、研究のゴールを示してください。
#科研費のコツ 48
審査員の役割は
✅ゴールに至る方法の妥当性
✅設定された研究のゴールの妥当性
の評価、申請者の役割は
1⃣ゴールに至る具体的な方法
2⃣どうなればこの研究は成功か、というゴール設定
です。[1]ばかり書かず、大前提となる[2]をしっかりかきましょう。https://t.co/Qv9VzhTV5O pic.twitter.com/X7oEA7uG89
— 科研費.com (@kakenhi_com) February 17, 2024
「〇〇〇をする」で止めない
「私はここに穴を掘るのだ!」と言われたところで、掘ってどんな良いことがあるのかが示されない限り、納得できません。
ところが多くの場合、以下の例のように、一連の実験(研究・解析)をしたらどうなるかではなく、どうやってするのかを詳しく説明してしまいがちです。
聞き取り調査により睡眠時間を調べるのは良いとしても、これはいった何のためにやるのでしょうか?この文章の構造は、「ここに穴を掘る」と本質的には変わりません。
詳しさが足りなかったためにうまくいかったのでしょうか?
読まされる(分野外の)審査員にとって各実験の細かい手順はどうでも良い情報です。申請書は論文とは異なりますので、審査員にとって37℃だろうが38℃だろうが、申請書を評価する上では大きな違いはありません。
むしろ、申請者の意図がわからない文章、これをやってどうなるかがわからないまま読まされる文章ほど苦痛なものはありません。
太字のように、これらの実験・手順・操作がどのような意味や意義を持つのかを明らかにすることで、申請者の意図はかなり明確になります。
どうなれば成功なのか
審査員は研究の詳細はわかりませんので、何を示すことができたら、何が言えるのかについても審査員は見当がつきません。たとえば「〇〇〇解析をする」とだけ書かれても、解析した結果がどうだったら、どうだと言うのでしょう?
のように、何かの解析や調査を実施した結果からどのようなことを言いたいのかを説明する必要があります。何のためにするのかと似た内容なのでどちらか一方だけで十分であることもありますが、一致しない場合は両方書く必要があることもあります。
また、研究目的を達成するために、大きな問題をいくつかの小さな問題に分割して、ひとつずつ研究するのが研究計画です。しかし、そうして分割した小さなピースだけを見せられてそれが全体のどこかを推測しなさいと言われると、審査員は困ってしまいます。すごく頑張って考えれば、予想できるかもしれませんが、審査員はあなたの研究にそれほど興味があるわけでもないので、そこまで頑張って考えてあげる義理もありません。簡単に予想できないので「よくわからない」として、全く評価されずに終わります。
のように、目的に対して、この研究がどのような意味を持つのかを説明します。これも、研究のゴールの一種と言えるでしょう。