ここでは、学振や科研費の申請書を書く際に重要となる「おもしろい研究」とは何か、またなぜそれが重要かについて解説します。

おもしろい研究テーマは良い論文になりやすい?

Nature Newsに、申請書の評価とその後の研究の評価に一定の相関が見られたという記事が掲載されました。これを単純に言ってしまうと、面白い研究テーマは良い論文になりやすい、ということです。(実は、そうではないという報告も多いのですが、科研費.comでは上記を前提にしています。だって、そうだと考えなきゃ良い申請書を書こうという気にならないですよね。)

http://www.nature.com/news/high-scoring-grant-applications-yield-more-highly-cited-papers-1.17380

研究を料理に例えてみる

いまここに、良い研究テーマ(高級食材)と、つまらない研究テーマ(まずい食材)があり、研究(調理)によって、料理(論文)を作ろうとしています。

高級ツバメの巣からはおいしいスープが出来ますが、普通のツバメの巣からは泥水しかできません。どんなに高度な技法を使っても、良い器に入れても、泥水は泥水です。

もちろん調理の仕方しだいでは高級食材が台無しになることはあり得ます。しかし、ここで重要な点は、高級食材がまずい料理になることはあっても、まずい食材がおいしい料理になることは無いという非対称性です。

すなわち、研究が成功するかどうかの大半はテーマ選びにあるということです。別の言い方をすれば、良い研究テーマでない場合、その後の努力が無駄に終わる可能性もあり得るということです。何を研究するかは、後で変えにくいので、よく考えないといけません。