「遠慮して安めに申請した方が採択されやすいのでは?」という配慮は、科研費では全くの徒労です。むしろ採択後の「一律カット」で研究が遂行不能になるリスクを高めるだけです。審査員が求めているのは「安さ」ではなく「投資対効果」。堂々と満額申請すべき論理的理由を解説します。

導入

日本的な美徳として、「限られた予算で慎ましく研究します」という姿勢が審査員に好感を持たれるのではないか、と考える申請者が少なからず存在します。あるいは、「予算枠の余り(端数調整)に滑り込めるかもしれない」という淡い期待を抱いて、申請額をあえて低く設定するケースも見受けられます。

しかし、審査において申請額を低く見積もることは、採択率を上げる要因にはなり得ません。
審査員は膨大な数の申請書を短期間で評価しています。個々の実験に必要な試薬代の相場を細かくチェックし、「この人は安く見積もっていて偉い」と加点することは、物理的にも時間的にも不可能です。彼らが見ているのはコストの低さではなく、その投資に見合う成果が出るかという一点のみです。

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