背景は「知識の披露」ではなく「問いへの滑走路」です。多くの申請書が先行研究の羅列で終わっていますが、審査員が求めているのは、そこにある空白がいかに必然的にあなたの研究を必要としているかという論理の集約です。逆三角形の「ファンネル構造」で、読者を核心へと導く技術を解説します。

導入:なぜあなたの「背景」は読まれないのか
研究計画調書における「研究背景」の欄を、ご自身の博識ぶりを披露する場所だと誤解してはいないでしょうか。あるいは、関連する先行研究をひたすら並べ立てただけの総説になってはいないでしょうか。
数多くの申請書を読んでいると、背景セクションで迷子になる経験を頻繁にします。個々の事実は正しい。引用されている論文も一流のものばかり。しかし、「結局、この研究者は何が言いたいのか」「なぜ今、この研究をしなければならないのか」が見えてこないのです。
多くの研究者が陥る罠は、情報を「足し算」で記述してしまうことです。あれも知っている、これも関係ある、と情報を積み上げるほど、審査員の焦点はぼやけていきます。申請書における背景の役割は、知識の伝達ではありません。それは、読者の思考を、あなたが設定した「学術的問い」という一点に向けて、抵抗なく滑り込ませるための誘導路を作ることにあります。
本稿では、背景記述におけるマインドセットを根本から変革するファンネル(漏斗)構造について解説します。これは、情報を羅列するのではなく、絞り込むことで論理の必然性を生み出す技術です。
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