申請書に「25℃で30分反応させる」といった詳細すぎる情報を書いていませんか? 審査員が求めているのは作業マニュアルではなく、なぜその手法が最適なのかです。ノイズを削ぎ落とし、評価に直結する情報だけを残す「引き算の技術」が、採択への近道です。

導入:審査員はあなたの実験補助員ではない
「研究のイメージが湧くように、具体的に書きなさい」。
指導教員や先輩から、このようなアドバイスを受けたことがあるはずです。しかし、この具体的という言葉の解釈を誤ると、申請書は一瞬にして不採択候補へと転落します。
多くの申請者が陥る罠、それは「具体的=微に入り細を穿つ記述」と勘違いしてしまうことです。
例えば、あなたがレストランのシェフで、グルメ本の記者に新メニューの魅力を伝える場面を想像してください。「塩を小さじ1杯、鍋の高さ20cmから投入し、菜箸で右回りに3回混ぜる」と説明されたらどうでしょうか。記者はこう思うはずです。「手順は分かった。で、それはなぜ美味しいのか? なぜその工程が必要なのか?」
科研費の申請書でも、これと同じ現象が起きています。
具体的な試薬の濃度、遠心分離の回転数、あるいは過去の勤務地・経歴の羅列。これらは、明日から実験を手伝ってくれるテクニシャンへの指示書や履歴書としては優秀ですが、研究の価値を判断する審査員にとっては、ノイズでしかありません。
審査員が求めているのは「詳細な操作手順や経歴」ではなく、「その手順を選んだ論理的根拠や研究遂行力があるとする根拠」です。本記事では、つい書いてしまいがちな「無駄な詳しさ」を削ぎ落とし、採択率を高めるための情報の選別技術を解説します。
このアーカイブはゴールド会員限定です
この記事は、毎年 7月29日 の当日のみ無料公開されます。
本日は対象外の日付のため、アーカイブの閲覧にはゴールド会員への登録が必要です。
所属機関に有料版をおねだりしませんか?