申請書の「方法」欄は実験ノートではありません。「ドイツ製装置で30℃、2時間反応させる」と書いても、分野外の審査員は「へぇ」としか思いません。求められているのは細かい手順ではなく、「なぜその手法か」と成功の定義です。マニアックな詳細を捨て、論理の骨格を残しましょう。

導入:審査員はあなたの「実験ノート」に興味はない
研究計画調書の「研究方法」欄を執筆する際、多くの申請者が陥る致命的な罠があります。それは、「詳しく書けば書くほど、実現可能性が高いと判断されるはずだ」という誤解です。
「本研究では、ドイツ〇〇社製の装置X(型番1234)を用い、30℃で2時間反応させ、〇〇試薬を50μl添加し……」
はっきり申し上げます。この記述は、審査員にとってノイズ(雑音)でしかありません。
審査員はあなたの分野の専門家とは限りません。30℃が良いのか悪いのか、2時間が長いのか短いのか、その妥当性を即座に判断する基準を持っていないのです。判断できない情報を大量に浴びせられると、読み手の脳の処理能力(認知リソース)が奪われ、肝心の「研究の独創性」や面白さを見失ってしまいます。
申請書は、同業者に向けた実験プロトコルではありません。研究というプロジェクトに資金を出してもらうための、投資家(審査員)に向けた事業計画書です。
投資家が知りたいのは、細かい作業手順ではありません。「なぜその方法を採用すれば、確実に成果が出るのか」というロジックです。
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