「本研究は極めて重要である。なぜなら、解決が急務だからだ」。これは理由になっていません。単なる言い換え、いわゆるトートロジーです。説得力とは、主張の外側にある客観的な事実との接続によって生まれます。熱意の空回りを防ぐ、論理の構造改革を行いましょう。

審査員は「言い換え」を論証とは認めない

申請書を読み進める審査員が、最も失望する瞬間の一つ。それは、期待を持って読み進めた「本研究の重要性」や「独創性」の欄に、実質的な中身が何一つ書かれていないことに気づいた時です。

多くの申請書において、主張の根拠が単なる主張の言い換えに終始しているケースが散見されます。「この研究は極めて重要である。なぜなら、解決が急務だからだ」という文章は、一見もっともらしく見えますが、論理的には何も情報を加えていません。重要と急務はほぼ同義であり、ここには「なぜ重要なのか」という問いに対する客観的な答えが欠落しています。

審査員は、あなたの熱意(=重要だと思っていること)を知りたいのではありません。その研究が学術界や社会にとって客観的に価値があるという証拠を求めています。循環論法(トートロジー)は、思考停止の証左と見なされ、採択から大きく遠ざかる致命的なエラーとなります。

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