「先行研究なし」という記述は、独創性の証明ではなく、調査不足の自白と受け取られます。審査員が求めているのは、孤立した島ではなく、学術地図の中に自分の立ち位置を明確に記せる研究者です。既存研究がないと嘆く前に、視野を広げて巨人の肩に乗るための論理的アプローチを解説します。

1. 導入:その独創性は、ただの「迷子」かもしれない

「本研究に関連する先行研究は存在しない」「現在、申請者しかこうした研究はしていない」。
もしあなたの申請書にこのような記述があるなら、今すぐ修正する必要があります。これは「私の研究は独創的だ」というアピールにはなりません。審査員には「私は関連研究を調べる能力がありません」あるいは「この研究は学界の流れから完全に孤立しています」という、ネガティブな宣言として届くからです。

科学とは、先人たちの知見の積み重ねの上に、新しいレンガを一つ置く行為です。文脈のない研究は、評価のしようがありません。審査員は、先行研究がないと書かれた申請書を見たとき、「範囲を狭く限定しすぎているだけではないか?」あるいは「誰もやっていないのは、やる価値がないからではないか?」と疑念を抱きます。

本記事では、一見すると何もないように見える未踏領域において、いかにして既存研究との接点を見出し、論理的な位置づけを行うか。そのための「地図を描く技術」について解説します。

このアーカイブはゴールド会員限定です

この記事は、毎年 6月14日 の当日のみ無料公開されます。
本日は対象外の日付のため、アーカイブの閲覧にはゴールド会員への登録が必要です。

所属機関に有料版をおねだりしませんか?