申請書の1ページ目を文字で埋め尽くしてはいけません。余白は何もない場所ではなく、情報のまとまりや論理の区切りを審査員に直感的に伝えるために重要です。の機能です。文章を推敲して余白を生み出し、多忙な審査員の認知負荷を軽減させましょう。

申請書を文字で埋め尽くすべきであるという誤解
科研費や学振の申請書を作成において、スペースは十分ではなく、大きすぎる余白は非常にもったいないです。しかし、それがゆえに多くの人が、用意された記入枠を文字で限界まで埋め尽くさなければならない、という強迫観念を持ってしまっているのも事実です。特に申請書の顔となる1ページ目においては、研究の背景、問題の所在、そして自身の研究構想の独自性を余すところなく伝えたいという熱意から、この傾向が顕著に表れます。少しでも空間が空いていると、審査員から情報量が不足している、あるいは研究に対する熱意が足りないとみなされるのではないかという不安が、文字を過剰に詰め込む原因となっています。
しかし、審査員の立場からこの状況を想像してみてください。審査員は多忙な日常業務の合間を縫って、何十件もの申請書を短期間で読み込む必要があります。ページを開いた瞬間、行間や段落間が極端に狭く、文字の黒い塊が視界を覆うような申請書を目にしたとき、審査員が最初に抱くのは期待ではなく、読み解くための心理的な疲労感です。
文字数が多いことと、研究の価値が正確に伝わることは同義ではありません。むしろ、情報が飽和状態にある紙面では、どの文章が重要であり、どこからが新しい話題の始まりなのかが不明瞭になります。読者は自らの注意力と労力を消費して文章の構造を解析しなければならず、結果として最も伝えたかったはずの核心部分が読み飛ばされる危険性を高めてしまいます。記入枠の隙間を埋めることに執着するあまり、読み手の認知的な負担を無視してしまうことは、採択を目指す上で避けるべき致命的な誤解と言えます。
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