科研費の最終年度計画を「全課題の完結」として描くのは得策ではありません。審査員が評価するのは、約束した成果を出しつつ、新たな問いを次期研究の布石として提示する発展的な終了です。途切れない研究費獲得のための長期的な構想術を解説します。

申請書を「物語の完結」として描く前提の誤り
申請書を執筆する際、多くの方が最終年度の研究計画において「本研究で設定したすべての課題を解決し、研究を完結させる」という旨の記述をします。限られた期間と予算内で確実な成果を約束する姿勢は重要であり、一見すると論理的で責任感のある計画に思えます。
しかし、研究という営みの本質を深く理解している審査員からすると、この「完全なる終結」を前提とした記述は、わずかな不自然さを伴って受け取られます。なぜなら、学術研究において一つの問いが解明されれば、そこから必ず新たな未解明の問いが派生するからです。数年間の研究を通じて何も新しい疑問が生まれず、綺麗に終わってしまう計画は、裏を返せば「当初の想定の範囲内を出ない、波及効果の乏しい研究」であると解釈される危険性を孕んでいます。
本記事では、一つの研究課題の終わりを次の課題の始まりへと接続する「発展的終了」という概念を提示し、途切れることなく競争的資金を獲得し続けるための論理構造を解説します。
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