学振や科研費の申請で、評価書・推薦書を指導教員に白紙で依頼すると矛盾の原因となります。本文の自己PRと評価書の内容が矛盾すれば、審査員の信頼は崩れます。評価者に意図を的確に伝え、自身の強みを第三者の視点から証明してもらうようにしてください。

なぜ多くの人がその工程で手が止まってしまうのか
日本学術振興会特別研究員(DC・PD)などの申請において、評価書や推薦書の作成を指導教員・受入研究者に依頼する際、多くの申請者が白紙の状態で依頼を投げてしまいます。自身で評価書の下書き(ドラフト)を作成して手渡すことに対し、心理的な障壁が存在するためです。自分の評価を自分で書くことへの抵抗感や、多忙な指導教員に対して厚かましいのではないかという遠慮が、手を止めさせます。
しかし、この遠慮は審査において非常に不利な結果を招く要因となります。申請書本編では明確な論理をもって自身の強みが語られているにもかかわらず、評価書には「真面目で優秀な学生です」「今後の成長に期待できます」といった、誰にでも当てはまる無難な定型文が並んでしまう事例が後を絶ちません。
なぜこのような齟齬が起きるのでしょうか。理由は大きく二つあります。一つ目は、指導教員は申請者が日々直面している泥臭い試行錯誤の全容や、個別の課題を乗り越えた思考プロセスを、申請者本人ほど高い解像度では把握していないためです。二つ目は、申請書本編の文脈と評価書の内容を的確に一致させる必要があるからです。本編で展開した論理を深く理解していない評価者が、それに呼応する文章を偶然書き上げることはありません。評価書の文面を他者に完全に委ねることは、自身の能力を客観的に証明する最後の機会を放棄することを意味します。
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