学振の評価書を指導教員に丸投げしていませんか。審査員を納得させる評価書は、本編と論理的にリンクさせることで初めて完成します。無難な定型文を避け、自分にしか書けない強みを第三者の権威で証明するための、評価書ドラフト作成プロセスを解説します。

なぜ多くの人がその工程で手が止まってしまうのか
日本学術振興会特別研究員(DC・PD)の申請において、評価書・推薦書の作成を指導教員や受入研究者に依頼する際、多くの申請者が「先生、よろしくお願いします」と白紙の状態で丸投げしてしまいます。自身で評価書の下書き(ドラフト)を作成して手渡すことに対して、自作自演のようで気が引ける、あるいは厚かましいのではないかという心理的ボトルネックが存在するためです。
しかし、日々、まるごと添削パスを通じて数多くの申請書本編と評価書のセットを拝見する中で、この遠慮が極めて致命的な結果を招いていることに気づきます。申請書本編では熱量高く独自の強みが語られているにもかかわらず、評価書を開くと「真面目で優秀です」という誰にでも当てはまる無難な定型文が並んでいるケースが後を絶ちません。
なぜこのような悲劇が起きるのでしょうか。理由は極めて論理的かつシンプルです。一つ目は、評価者は案外あなたのことを深く知らないからです。日々の泥臭い試行錯誤や、特定の課題を乗り越えた瞬間の思考プロセスを一番解像度高く把握しているのは、他ならぬ申請者自身です。二つ目は、申請書本編の文脈と評価書の内容を完全に一致させる必要があるからです。本編で展開した論理を読んだこともない評価者が、それに完璧に呼応する評価書を書けるはずがありません。評価書をコントロールする権利を放棄することは、申請書の最終防衛線を他人に委ねることを意味します。
このアーカイブはゴールド会員限定です
この記事は、毎年 4月8日 の当日のみ無料公開されます。
本日は対象外の日付のため、アーカイブの閲覧にはゴールド会員への登録が必要です。
所属機関に有料版をおねだりしませんか?