学振の受入研究室選びを、単なる研究の延長や偶然の異動として書いてはいけません。自身の強みを軸足として残しつつ、新たな分野へ踏み出すピボットである必要があります。既存の専門性と新しい環境の掛け合わせで、独自の展開を生む理由を示しましょう。

多くの研究者が陥る受入研究室選定の罠
学振(DC・PD)や科研費の調書において、受入研究室の選定理由や研究環境の記述は、審査員が申請者の計画の実現可能性と今後の発展性を評価する重要な指標となります。しかし、多くの申請者はこの項目で論理的な構築を放棄し、事実の羅列や受動的な記述に終始してしまっています。
特によく見られるのが、同じ研究室に留まる場合に現在進行中のテーマをそのまま継続し発展させるとだけ記述するケースや、異なる研究室へ異動する場合にこれまでの自分の強みを切り捨ててゼロから新しい分野に挑戦すると記述するケースです。また、指導教員の異動やポストの都合など、自身の意図とは無関係な事情による環境変化を、そのまま偶発的な出来事として記述してしまうことも珍しくありません。
審査員は、申請者が新しい環境でどのように成長し、どのような独自の学術的価値を創出するのかを知りたいと考えています。単なる継続では成長の余地が少なく見え、ゼロからの再出発では実現可能性に疑義が生じます。偶然の異動という説明は、研究者としての主体性を疑われる要因となります。これらの受動的な記述は、審査員を納得させる論理性を欠いているのです。
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