学振審査において「自律性」の証明とは、指導教員との関係を断つことではありません。「全く違うテーマ」という主張は、研究室の強みを活かせないリスクと紙一重です。審査員が求めているのは、指導教員の知見や技術を「基盤」とし、独自の問いによって研究を「飛躍」させる論理的構造です。

1. 導入:審査員は「研究の所有権(Ownership)」を探している
学術振興会特別研究員(学振)の申請書、特に「研究遂行能力」や「目指す研究者像」の欄において、最も警戒すべきリスク。それは「指導教員の下請け仕事(作業員)」と見なされることです。
審査員は同分野のプロですが、あなたの研究室の日常を知りません。申請書の記述だけで「これは申請者本人のアイデアなのか、ボスの指示を遂行しているだけなのか」を厳しくジャッジします。
ここで多くの申請者が犯す致命的なミスは、自律性を証明しようとするあまり、指導教員の研究と自身の研究を「完全に切り離してしまう」ことです。「指導教員とは全く違うテーマです」という主張は、裏を返せば「その研究室に所属して行う必然性がない」と判断されかねません。
真の自律性とは、孤立することではありません。環境(ボス)を最大限に利用しつつ、主導権を持って研究を展開することにあります。
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