「Aが増えるとBも増えた。ゆえにAがBの原因だ」。この論理の飛躍は、審査員が最も嫌う致命的なミスです。相関関係を安易に因果関係と記述していませんか?観察データを証拠へと昇華させ、ロジックの穴を塞ぐための因果推論の記述テクニックを解説します。

導入:審査員は「論理のすり替え」を見逃さない

研究計画書において、最も頻繁に発生し、かつ最も致命的な論理的欠陥は、相関関係と因果関係の混同です。

予備実験や先行調査で得られた「AとBに関連がある」というデータを基に、「したがってAはBの原因である」と断定的に書いてしまいがちです。あるいは、「Aを改善すればBも解決する」という対策案まで提示してしまうかもしれません。

審査員はこの論理の飛躍を見た瞬間、あなたの研究能力そのものに疑いの目を向けます。「この申請者は、基礎的な科学的推論ができていない」「交絡因子の存在を無視している」と判断されれば、どれほど熱意があっても採択ラインには届きません。

「雨が降ると傘が売れる」のは因果関係ですが、「アイスクリームが売れると水難事故が増える」のは単なる擬似相関(共通原因は気温の上昇)です。この区別を曖昧にしたまま書き進めることは、砂上の楼閣を築くようなものです。本記事では、相関関係のデータを誠実に扱い、それを強固な因果の仮説へと昇華させる記述技術を解説します。

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