論理の方向性を意識するだけで、申請書の説得力は劇的に変わります。「事実を積み上げて納得させる」のか、「強い前提から必然性を説く」のか。自分の研究スタイルや手持ちのデータの質に合わせて、最適な論理構成を選び取るための指針です。

導入

申請書における「論理的」という評価は、単に接続詞が正しく使われているかどうかでは決まりません。審査員が文章を読み進める際、思考がスムーズに流れるか、あるいは唐突な飛躍に躓いてしまうか。その差を生む決定的な要因は、論理の展開パターン、すなわち「演繹法」と「帰納法」の適切な使い分けにあります。

多くの研究者は、無意識のうちにどちらかのパターンを使用していますが、戦略的にこれらを選択しているケースは稀です。事実を羅列して「だから重要だ」と言いたいのか、確固たる理論に基づいて「だからこうなるはずだ」と主張したいのか。この「論理の矢印」の向きが定まっていない文章は、審査員の脳内に混乱を招きます。

本稿では、研究計画の性質や執筆するセクションに応じて、演繹法と帰納法をどのように使い分け、あるいは組み合わせるべきか、その実践的な判断基準を解説します。

このアーカイブはゴールド会員限定です

この記事は、毎年 2月11日 の当日のみ無料公開されます。
本日は対象外の日付のため、アーカイブの閲覧にはゴールド会員への登録が必要です。

所属機関に有料版をおねだりしませんか?