箇条書きや構造の不備は審査員の脳を疲れさせますが、それ以上に致命的なのは「案内不足」です。どれほど高尚な研究も、読み手を迷子にしては伝わりません。文章のカーナビ「メタディスコース」の定義と実装法を解説します。

導入:文章の「カーナビ」を搭載していますか?
メタディスコースと聞いて、すぐにその意味が思い浮かぶ研究者は少ないかもしれません。直訳すれば「高次の(Meta)言説(Discourse)」となりますが、これでは難解すぎます。
平たく言えば、メタディスコースとは文章における「カーナビ」や「道しるべ」のことです。
研究データや事実そのものではなく、「ここから結論を話します」「次は反対意見です」「例えばこういうことです」といった、読み手を案内するためだけの言葉を指します。いわば「文章についての文章」です。
多くの研究者は、自分の研究内容(コンテンツ)を詰め込むことに必死になりがちです。しかし、審査員は多忙であり、あなたの専門分野の細部まで精通しているとは限りません。そんな彼らに、いきなり専門的なデータの羅列や複雑な推論を突きつけるのは、地図を持たせずに樹海へ置き去りにするようなものです。
審査員が必要としているのは、次にどのような話が展開されるのか、今の話は全体のどこに位置するのかを示す「道しるべ」、すなわちメタディスコースです。この案内があるかどうかで、審査員の理解スピードと納得感は天と地ほど変わります。
本記事では、審査員を最後まで快適にエスコートするための、メタディスコースの実装技術を解説します。
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