論文は「結論」から書きますが、申請書は「物語」で人を動かします。「起承転結」は小説のためだけの技術ではありません。起(広い背景)、承(これまでの経緯)、転(しかし未解明な壁=ここにお金をくれ)、結(輝かしい未来)。この4拍子が揃った時、審査員の脳はストレスなくあなたの論理を受容します。

画像案
「ストーリーの波形図」のイラスト。
横軸に時間・論理の進行、縦軸に「審査員の関心度」をとる。

  • 起(Background): 社会的要請(緩やかな上昇)
  • 承(Context): 既存研究の進展(安定した直線)
  • 転(Gap & Idea): 「しかし」による急降下(危機)と、「本研究」による急上昇(解決策)のV字回復
  • 結(Future): 明るい未来(高い位置での着地)
    この「V字の切れ込み(転)」こそが採択のポイントであることを強調。

1. 導入:論文と申請書の決定的な違い

「論文のように書いてはいけない」
これは申請書指導における鉄則です。論文は専門家に対し、結果の正当性を淡々と主張するものです。対して申請書は、多忙な審査員に対し、「この研究には投資する価値がある」と未来の期待値を売り込むプレゼンテーション資料です。

人間は、羅列された情報を記憶するのは苦手ですが、「文脈のある物語」なら容易に理解し、記憶できます。
「起承転結」という言葉は古臭く感じるかもしれませんが、これは数千年の歴史が証明した、最も人間の脳に負荷をかけない情報伝達のプロトコルです。この型を科研費というゲームにどう適用するか、その変換コードを解説します。

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