「実験も解析も一通りできます」というアピールは、代わりがいくらでもいる、という自己紹介になりかねません。 万遍なく平均以上の人ではなく、ある一点において代えが効かない人が評価されます。自身の強みを絞り込む「USP定義」の技術を解説します。

1. 多機能な十徳ナイフは、切れ味で専門のナイフに劣る
研究遂行能力の欄や、自身の強みを記述するセクションにおいて、多くの研究者は「不安」から情報を盛り込みすぎます。
「分子生物学的実験全般に精通している」
「プログラミングも統計解析も可能である」
「学生の指導経験も豊富で、体力にも自信がある」
これらは一見、優秀な研究者に見えるかもしれません。しかし、数十通の申請書を連続して読む審査員の目には、「特徴のない平均的な研究者」として映ります。すべてができるということは、裏を返せば「これといった武器がない」ということです。
審査員が探しているのは、何でもこなす便利屋ではなく、この困難な課題(問い)を解決するために不可欠な、鋭利な武器を持った専門家です。
総合力を見せようとすればするほど、あなたの研究者としての輪郭はぼやけ、印象に残らなくなります。申請書における強みの記述は、自身の能力のカタログ作りではありません。審査員に対し、「私以外にこの研究を遂行できる人間はいない」と証明するための、論理的な生存戦略です。
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