申請書で、複雑な背景知識を長々と講義するのは、大きなお世話です。知識がなく・興味がなく・時間がない審査員に必要なのは評価基準です。

情報を積み上げるのではなく、極限まで削ぎ落とし、最短距離で採択と言わせるための「減算の美学」を解説します。

一生懸命書いた申請書なのに、「何が言いたいのか分からない」と落とされた経験はありませんか?
その原因の多くは、あなたの文章力不足ではありません。
あなたの「親切心」がアダになっているのです。

「専門外の審査員にも分かるように、基礎から丁寧に説明しなきゃ」
「正確を期すために、例外についても触れておかなきゃ」

この姿勢は、論文執筆や講義においては美徳です。しかし、科研費などの競争的資金においてはノイズでしかありません。
審査員は、あなたの研究分野について学びたいわけではありません。ただ、「この研究に税金を投入していいか」を判断(ジャッジ)したいだけなのです。

今回は、審査員のリアルな心理状態である「3ない(知識ない・興味ない・時間ない)」を前提とし、情報を極限まで削ぎ落として「判断」を容易にするテクニックを解説します。

1. 導入:あなたは総説を書こうとしていないか?

研究者は、真面目であればあるほど、申請書を「ミニ総説」にしてしまいがちです。
先行研究を網羅し、厳密な定義を行い、あらゆる例外に注釈をつける。そうしないと「不誠実」だと感じるからです。

しかし、審査員はこう思っています。
「で、結局あなたは何をするの?」

教科書的な知識披露は、審査員にとって「知っているなら退屈」か「知らないなら負担」のどちらかです。
申請書は、あなたの知識量を誇示する場ではありません。あなたのアイデアを売り込むセールスレターです。

このアーカイブはゴールド会員限定です

この記事は、毎年 1月4日 の当日のみ無料公開されます。
本日は対象外の日付のため、アーカイブの閲覧にはゴールド会員への登録が必要です。

所属機関に有料版をおねだりしませんか?