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メリット

研究が前に進む

ほとんどはこれに尽きます。研究費が無いと始まりません。やりたい研究を前に進めるためにも積極的に研究費を獲得しましょう。

買いにくいものが買える

科研費の場合、購入できる物品に制約がかかる場合があります。民間財団の助成金はかなり自由度が高く、学会年会費なども支払うことが可能になります。自由度の高いお金として、重宝します。

公益社団法人等寄附金特別控除(税額控除)、寄付金控除(所得控除)

民間財団から得た助成金の一部は個人口座を経由して大学に寄付するというスキームが取られることがあります。こうした場合、個人からの大学への寄付金は所得税またはの寄付金控除の措置を受けることができます。寄付金控除には2種類あり、「税額控除」「所得控除」のいずれか一方の制度を確定申告の際に選択します。

助成金のボリュームゾーンである100万、200万円を考えるとどちらを選択すべきかはかなり状況によります。制度を良く理解し、お得な選択をするようにしましょう。

その他の注意点
  • 住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)やふるさと納税などによっても所得税額が変化し、場合によっては十分な控除が受けられなくなる可能性があります。
  • 住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)やふるさと納税などによっても所得税額が変化し、場合によっては十分な控除が受けられなくなる可能性があります。
  • 日本の大学への寄付は、特定公益増進法人の寄付金に該当するため、多くの場合、寄付控除の対象ですが、寄付金控除が適用される寄付先かどうかは必ずチェックしてください。
  • 研究助成金は非課税になると考えられますが、その場合でも寄付控除は適用可能なはずです。不安に思われる場合は税理士や国税庁に相談するようにしてください。

No.1150 一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除)|国税庁 (nta.go.jp)
No.1266 公益社団法人等に寄附をしたとき|国税庁 (nta.go.jp)
大学の教授等が支給を受ける研究費等に対する所得税の取扱について|国税庁

寄付控除シミュレーター(東京大学) https://utf.u-tokyo.ac.jp/privilege/koujo_simulator

公益社団法人等寄附金特別控除(税額控除)

寄付金額(所得の40%が限度)から2,000円を差し引いた額の40%を所得税額から控除する。

寄付金額課税所得金額
400万円
500万円600万円700万円800万円900万円1,000万円
10万円39,200円39,200円39,200円39,200円39,200円39,200円39,200円
20万円79,200円79,200円79,200円79,200円79,200円79,200円79,200円
50万円93,125円143,125円193,125円199,200円199,200円199,200円199,200円
100万円93,125円143,125円193,125円243,500円301,000円358,500円399,200円
200万円93,125円143,125円193,125円243,500円301,000円358,500円441,000円

寄付金控除(所得控除)

寄付金額(所得の40%が限度)から2,000円を差し引いた額を、所得(課税所得金額)から控除する。

寄付金額課税所得金額
400万円
500万円600万円700万円800万円900万円1,000万円
10万円19,600円19,600円19,600円21,000円22,540円22,540円32,340円
20万円39,600円39,600円39,600円41,100円45,540円45,540円65,340円
50万円99,600円99,600円99,600円101,100円114,540円114,540円164,340円
100万円169,800円199,600円119,600円201,100円229,540円229,540円329,340円
200万円229,800円369,800円399,600円401,100円431,100円459,540円559,540円

住民税の寄附金税額控除

特定の法人や機関、団体に寄附をしたときに住民税の優遇を受けるという制度で、寄附を行った翌年度の住民税で控除が行われます。

ただし、以下の法人への寄附金は、各都道府県や各市区町村が個別で指定している機関でないと住民税の寄附金控除の対象とすることはできません。つまり、住んでいる都道府県や市区町村で指定されていない寄附金の場合は、所得税の減額は行われますが、住民税の減額は行われません。

  • 国公立大学法人
  • 独立行政法人
  • 特殊法人
  • 公益財団法人
  • 公益社団法人
  • 学校法人

対象となる寄附金かどうかは、都道府県や市区町村のホームページで確認することができますが、自治体によっては記載していないところもありますので、その場合は直接問い合わせをしましょう。

都道府県をまたぐと対象から外れるケースもあります。

所属機関からの報奨金・給与がもらえる

学振は給与(研究奨励金)がもらえますし、研究機関によってはある程度以上の外部資金を獲得した教員に報奨金を出しているところもあります。

特に学振において自分で給与を持っていると雇用主の意向に左右されずに研究を続けやすくなりますので、積極的に狙っていきましょう。受け入れ研究室としても人件費がかからないため、博士研究員(ポスドク)として受け入れやすくなります。

申請書のブラッシュアップ、研究計画のアップデート

申請書を何度も繰り返して書くことで、申請書はブラッシュアップされます。また、ある程度うまくいった実績のある申請書をベースにすることで、研究計画はアップデートされ、次回以降、効率よく申請書を作成することが可能になります。

普段から、データや構想をまとめておき、こまめに応募しておくと、(多くの人にとって本番である)学振や科研費の申請書をうまく書くことができるようになります。

デメリット

作成に時間がかかる

慣れないうちは、ひとつの申請書を書くのに相応の時間がかかってしまいます。金額の小さいものについては作成の手間が惜しいと感じる場合もあるかもしれません。

しかし、カバーする範囲を変えた申請書を3パターンくらい(基礎、応用、異分野融合など)用意できるようになると、次回以降の申請時にはそれらをテンプレートとして使いまわすことが可能になります。もちろんずっと使い続けるわけにはいかず、状況に応じて大幅な改稿も必要となりますが、それでもかなり楽になるはずです。

報告書に時間がかかる

申請書は使いまわしやすい一方で、報告書は使いまわしにくいです。そのため、数多くの助成金を得ると、そのぶんだけ、報告書を書かないといけなくなり、大変です。しかし、お金がない苦しさと比べると贅沢な悩みですので、感謝しながら書きましょう。

エフォートがなくなる・重複制限が発生する

民間財団であってもエフォートを割く必要があります。政府系の研究費ほどはちゃんと把握されていないとはいえ、虚偽の説明をしたと認定されると大変です。エフォートは適切に管理し、最も応募したい研究費のためのエフォートを確保しておきましょう。エフォートは必要に応じて下げることも可能です。

また、ある研究費に採択されると他の研究費に応募できなくなる・受給できなくなる、重複制限もあります。ここに、年齢制限や役職制限などが重なってくると、出したいのに出せないといった状況が発生してしまいます。突発的なものは仕方ないにせよ、見えている制限については事前に把握し、計画的に応募するようにしましょう。